ゴールが成功?
1999年2月13日(大改訂) 初版の痕跡は2割程度(笑))
1997年10月17日
「成功」は旅であって、目的地ではない。それはあなたがたどり着くゴールではなく、絶えず熱中し続けることのできる「何か」である。
マイケル・アマー"Success and Magic"
「成功」とは何なのでしょう。目標を達成することでしょうか。勿論そのような定義で済む場合もありますが、目標達成の成否など、どうでもよい場合もあります。当の本人が、それをやることで十分充実した「生きた時間」を過ごせたと感じていたのなら、それに関わった時間は決して無駄にはなりません。もし達成できなかったのなら、それは縁がなかっただけです。その時期ではなかったのでしょう。
やりたくないことをやっても成功しません。いっときの流行りや、目先の利益にとらわれて何かをやっても、途中でいやになることは目に見えています。しかし、目標なり、心の底からあることを達成したいと思っているのなら、とにかくやってみることです。本心からやりたいことなら、途中に多少の山や谷があっても、それもまた楽しいものです。途中で道に迷って、最初の目的地とは全然別のほうへ行ってしまうこともありますが、それも悪くありません。
今東光という坊さんは、一筆頼まれると、よく「遊戯三昧」(ゆげざんまい)と揮毫していました。「遊戯三昧」というのは、そのときやっていることに、自分自身のすべてのエネルギーを注ぎ込むということです。
飯を食うときは飯を食うことに、遊ぶときは遊びに、掃除をするときは掃除に、勉強するときは勉強に、SEXのときはSEXに、自分のエネルギーを全部注ぎ込むことです。しかし、人は大抵、今やっていることとは別のことに意識が行っています。食事のときは遊びのことを、遊んでいるときは勉強のことが気になり、勉強しているときは彼女(彼氏)とのSEXを想像し、彼女とデートをしているときは他の別の彼女(彼氏)のことを思い浮かべています。(笑)いつも、「心ここにあらず」といった状態です。
今まで経験したことのない何かを始めるとき、だれだって多少の不安はあります。最初の一歩を踏み出すことには勇気がいります。しかし、一歩踏み出してしまえば、思っていたほど恐ろしくもなく、何とかなるものです。あとは「遊戯三昧」の心境で、楽しみながら、しかし、本気で取り組むことです。これに関して、物理のある公式を思い出しました。「万有引力の法則」です。
この公式の分母になっている「r」は、二つの物体間の距離です。二つの物体が存在するとき、それらが引き合う力の大きさは、質量の積に比例し、距離の二乗に反比例します。つまり、距離が半分になれば、引き合う力は4倍になり、1/3あたりまで近づけば、引き合う力は最初の9倍になっています。これは多分に暗示的な法則でもあると思います。「もの」に限らず、目に見えないものにでも当てはまります。
ある目標を設定する場合、ゴールが果てしなく遠くにあると思えても、そこへ向かってとにかくスタートを切れば、当初、自分が想像していたより、はるかに短い時間で達成できたという経験はだれにもあることでしょう。最初は遙か彼方に思えていたゴールでも、あるところまで来ると、途中からは雪だるま式に急に大きくなり、ゴールのほうからこっちに近づいて来てくれると感じる場合さえあります。
何かをやってみようと思うのなら、とにかくスタートを切ることです。途中まで来ると、何かの力に引き寄せられるように、急激に二つはくっつきはじめます。
もし、途中でいやになったり、本気になれないのであれば、それは本来、あなたには「縁」がなかったことなのです。縁があれば達成できます。縁がなければ達成できません。それだけです。(笑)あまり深刻にならず、遊戯三昧で「旅」を楽しむことが、「成功」の秘訣なのかもしれません。
注:(マイケル・アマーは、アメリカのプロマジシャンです)