マイクロソフトの影響力

これからホームページを開設したい人へのアドバイス

 

1999年1月17日

一昨日(1月15日)の午前8時頃、いつものようにコンピューターの電源を入れ、メールの確認をすると20通近いメールが届いていた。普段であれば、朝一番で受け取るホームページ関係のメールは、平均2,3通である。それがいっぺんに10倍近くになっている。

前夜も12時過ぎにメールの確認をしてから寝た。それからわずか数時間しか経っていないのに、いったい何が起きたのだろう。読んでみると、すべて、「魔法都市案内」で紹介した「スカーニーの1,000ドルのカードトリック」を教えて欲しいというものであった。しかもメールの8割が、海外在住の邦人からのものであり、そのことも不思議であった。

一つ一つメールを読んでいくと、「MSNスタートページから来ました」という一文があった。「MSNスタートページ」って何だ?

サーチエンジンで検索してみると、「マイクロソフトネットワーク」、つまりマイクロソフトがやっているインターネットのスタートページがあり、そこには毎日4つほど、「今日のサイト」というのが紹介されるらしい。この中に「魔法都市案内」が紹介されていた。

ここに紹介されるのは、日本時間の0時から次の日の0時までの24時間だけなので、時差の関係上、海外在住の方が最初に読み、そのため、朝は海外からのメールが多かったようだ。しかし、それにしてもわずか数時間の間に、こんなに反響があることが信じられなかった。この日は祝日でもあり、私も風邪気味で一日中家にいたので、数時間ごとにメールのチェックをしたが、そのたびに数通のメールが届いている。これは溜めておくと大変なことになりそうなので、雛形を作り、片っ端から返事を出して行った。「コピー&ペースト」で作ったので、一通あたりの所要時間は1分もかからない。それでもこの日一日だけで、50通以上の返事を書いた。

これまでにも『月刊アスキー』や『ニフティサーブマガジン』他、何度か雑誌等で「魔法都市案内」を紹介していただいているが、いつも事前に連絡があった。今回はまったく何の連絡もなかったので事情がわかるまで戸惑った。

現在、日本国内だけでホームページは数十万あると言われている。マイクロソフトはいったいどうやって「魔法都市案内」を見つけたのだろう。マイクロソフト関係のところには何も登録していないし、大体「マジック」という趣味自体がマイナーなものなのに、よくまあ、見つけてくれたものだ。しかも一日4つしか紹介しない枠の中に入れてくれたのが信じられなかった。

自分の開設しているホームページへのアクセス数を向上させるのが目的で、色々と研究している人達がいる。そのような方の記事を読ませていただくと、雑誌に取り上げられてもアクセス数の向上はほとんど見られないが、Yahooとマイクロソフトのページで取り上げられると、いっぺんにアクセス数が増えるということが書いてあった。とくにマイクロソフトのスタートページやクールサイトで紹介されると、桁違いのアクセス数があるらしい。データーによると、それまで毎日のアクセス数が100程度にすぎなかったところでも、紹介されたとたん、一挙に、一日のアクセス数が1,000近く行ってしまうらしい。もっともその後、リピーターがどれだけつくかは別の問題だろうが。

私はアクセスカウンターを付けていないので正確な数字はわからないが、アクセス数とメールの関係は、訪れた人の2,3パーセントがメールを送ってきてくれるらしい。今回、24時間以内に届いた新規メールが約50ということは、それから逆算すると、確かに1,000人くらいの訪問客があったのだろうと推測できる。

雑誌等で紹介されてもアクセス数の向上にはほとんど関係がないのは、URLを自分で打ち込むのは面倒なので、よほど関心のあるもの以外は入力する気にはならないからだろう。実際、私の過去の経験でも、雑誌に紹介されても、それでメールの数が劇的に増えたということはなかった。ところが、今回のように、マイクロソフトのホームページで紹介されると、先のようなことになるらしい。何にせよ、宣伝もしていないのに、取り上げてもらえるのはありがたいことだと思っている。

1997年7月に、「マジェイアのカフェ」と「魔法都市案内」を同時にオープンしたが、その1,2ヶ月前からHTMLファイルの作り方を勉強したり、Web Siteの中で、ホームページ開設に役立ちそうなところを訪問したりして参考にさせてもらった。各種「素材」などは本当にありがたく利用させてもらった。

また、数多くの有益なアドバイスをおこなっているところもあった。そのようなものの中で、特に勇気づけられたのは次のようなものであった。

このようなことをホームページに紹介しても、興味を持って読んでくれる人など誰もいないだろうと思わずに、もしそれが「自分にしか書けない」と思うことであるのなら、ためらわずに書くことだ。世界中からアクセスしている人の中には、そのような情報を必要とする人が必ずいるものである。

この言葉にはずいぶん勇気づけられた。準備段階で、HTMLファイルをいくつか作っているとき、こんなことを紹介しても、私以外の誰も興味を持たないだろうと思い、折角作ったファイルだけれど、消してしまおうかと思ったことが何度かあった。そのようなとき、このアドバイスを思い出し、書いておくことにした。

扱う内容が、たとえ「ハムスターの性生活について」といったマイナーな話題であっても、世界中のどこかには、そのような情報を必要としている人がいるかも知れない。また、自分自身が本当にそのことに関心があり、それをおもしろいと思っているのなら、それを書けばその熱意は伝わるものなのだろう。とにかく、「これは自分にしか書けない」と思うことがあるのなら、それが他人にウケるかどうかなどは気にせず、書いてしまうことだ。どうせ何を書こうが、すべての人を満足させることなどできないのだから、自分自身にとっておもしろいと思えることを書くしかない。

私がホームページで扱っているのは趣味でやっているマジックと、この「煩悩即涅槃」で書いているようなことだから、どちらもマイナーを2乗したくらいマイナーな話題ばかりである。当初は、本当に、一日10人くらい訪問客があればよいと思っていた。ただ、たとえ小さくても、それなりに自分自身の美意識は満足させておきたかった。ある程度、カチッとしたものだけにはしておきたかった。規模の大小、アクセス数のことは二の次、三の次であった。

そのようなつもりで始めたのに、1年ほどで予想外に沢山のメールをいただいた。トータルすれば、年間、1,000通を越えている。最近では毎日のアクセス数も数百はあるらしい。どのような人が来てくれているのかわからないが、何にしても、予想外にメールをいただくことが多く、うれしい。最初はアクセス数のことなどまったく考慮に入れずに作っていたのに、それでもこれだけの訪問者やメールが届くということは、自己満足でもなんでもよいから、ひたすら自分の好きなものを全面に押し出して書いておけばよいのだろうと思っている。実際、個人のホームページなど、それしかできない。

私の個人的な知り合いの中にも、ホームページを開きたいと言っている人が増えてきた。そのような人へのアドバイスとしては、「自分自身にとって一番関心のあることを書けばよい」としか言えない。1年くらい続けられるめどがあるのなら、思い切って開設してしまうことだ。

「マジック」や「煩悩即涅槃」のような超マイナーな話題ですら、今回のように、マイクロソフトが取り上げてくれることもあるのだから。たぶん、ビル・ゲイツは読んでいないと思うけど(笑)。


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