Very Best集
消える鳥かご
最初に随分昔からあるマジックです。海外ではこれをレパートリーに入れているマジシャンが大勢います。サロンからステージまで実演可能です。
先日(2000年5月)来日したランス・バートンも、ショーの中で効果的に使っていました。
現象
基本的な現象は、上のような鳥かごがあり、マジシャンは左の写真のように両手でかごを持ちます。 このままでもかごを消してしまえますが、薄いシルクのハンカチをかごに掛けた方が安全です。ランス・バートンも透けて見えるほど薄い、マジック用の黒いシルクをかごに掛けていました。
観客によく目を凝らして見てもらっているのに、目の前でシルクがふわりと崩れ、中の鳥かごが完全に消えてしまいます。シルクの中にも、手の中にもどこにもかごはありません。
これは子供がいるときは数名に出てきてもらい、手を出してもらって、かごの上下、左右などすべての面を押さえてもらい、その状態から消すこともできます。 このようにすれば、かご全体が子供達の手で囲まれていますので一層不可能に見え、大変効果的です。
プロマジシャンの中でも、これをトリネタ......、「トリカゴ」だから「トリネタ」というシャレではなく、本当に最後に演じるネタとして使っているマジシャンもいるほど効果的です。
最後に
ランス・バートンのショーでは中に白い小鳥を入れていました。実際には本物の鳥を使うことはできませんが、ゴムの柔らかい鳥が手に入ればベストです。もしゴムの鳥が見つからないときは、中にスポンジでもいれて布で小鳥を作ればよいでしょう。かごの中に鳥のようなものが見えていると、カラの鳥かごだけで演じるより一層派手で効果的です。
ランスはこれを演じる前に白い紙を破り、本物の白い小鳥を出現させていました。その鳥をこのかごではなく、別の丸いかごに入れて、いったん、フローティングボールのような現象をおこない、鳥かごと小鳥を両方とも消していました。消えたとき、「またあとでエルビスは出てきますよ」と言ってから、別のマジックに移っていました。「エルビス」というのは小鳥の名前です。しばらくしてから、この「消える鳥かご」にエルビスを入れて現れます。観客は先ほどまで本物の小鳥を見ていますから、このかごに入っている白い鳥が本物のエルビスだと思っています。しかし似ていますが、実際はゴムでできた鳥です。釣りようの細い糸でゴムの鳥をつるしておくと鳥が動き、少し離れてみると本物の鳥のように見えます。
ゴムの鳥であれば鳥かごに入れたままでも消すことができますが、本物の小鳥を使うと死にますから、絶対やらないでください。 またギャグでやるのなら、これを鳥かごでなく、猛獣を入れるおりに見立てて、ぬいぐるみのライオンやホワイトタイガーを消しても、おもしろいかも知れません。
なお、現在この「消える鳥かご」は群馬の福正堂奇術社にあると思います。値段は16,000円前後のはずです。興味のある方はお問い合わせ下さい。
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