マジシャン別Very Best集

Nate Leipzig

Card Stabbing

 

書名 Dai Vernon's Tribute to Nate Leipzig
著者 Lewis Ganson
発行年度 1963年

 

1999/2/21


最初に

ヴォードビルの時代には、大勢の観客の前でカードマジックを見せることを専門にしているマジシャンもめずらしくなかったようです。今ではこのようなタイプのマジシャンはほとんど見かけませんが、普通の大きさのカードを使い、それで十分観客を楽しませることができたのですからたいしたものです。

テーブルなどを使わなくても、スタンドアップで演じることのできるカードマジックは、研究してみるとかなりありそうです。、

現象

観客2名に出てきてもらい、マジシャンの両側に立ってもらいます。それぞれにトランプを1枚取ってもらい、覚えてもらったらいます。その2枚を一緒に集めて、一組の中に戻します。

よく切り混ぜた後、テーブルの上から白い紙、紙ナプキンのようなものでデックを包みます。

ナイフを取り上げ、紙で包んだデックを横から突き刺し、上下に分けます。ナプキンを破り、ナイフの刺さったところのカード、ナイフの上のカードと下のカーを観客に示すと、それはどちらも観客のカードです。

最後に

ライプチッヒがステージでよく演じていたマジックです。2,3年前、あるアメリカのプロマジシャンの方からメールをもらいました。この人は現在はすでに引退していますが、ライプチッヒの思い出をメールで語ってくれていました。その中で、このマジックについてもふれており、ライプチッヒがいかに細かいところまで気を配っているかの例として紹介してくれていました。ライプチッヒがデックを包むのに使用する紙についてです。

テーブルから紙を取り上げるとき、まっ平らな紙をテーブルの上に置いておくと、取り上げるとき、つかみにくいことがあります。紙に少しシワを寄せておくと、簡単につかめます。ライプチッヒは演技の前に、使用する紙を少し波形に折り曲げて、テーブルの上から手元を見なくても取り上げられるようにしていたそうです。

何事も、一事が万事です。このようなところにも気遣いができているわけですから、彼の演技全体が大変細かいところまで計算され、スムースにはこばれていたのだろうと想像できます。ヴァーノンが師と仰ぐのも無理ありません。


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