コイン・マジックの基本技法
第2回
フレンチ・ドロップ
2002/3/20
コインマジックの基本技法、第2回目は「フレンチ・ドロップ」です。これはコインの消失技法としては古くからあり、J.B.Boboの"Modern Coin Magic"にもThe French Drop (Le Tourniquet Vanish)として解説されています。
大変やさしくできるため初心者にもお奨めします。やさしくても、正しく演じると強烈なイリュージョンを生み出してくれます。
私がこの技法を初めて見たのは今から30数年前、梅田の阪神百貨店にあった日本奇術連盟のマジックコーナーでした。当時はジョニー・広瀬氏がディーラーとして常駐しておられました。そこで現在「ダイナミックコイン」として知られているものとほぼ同じものが販売されていました。広瀬さんはこのマジックを演じるとき、途中でフレンチドロップを使ったコインの消失を混ぜ、一層不思議なトリックに仕上げていたのです。手の中に握った10円硬貨が忽然と消えたときは本当に驚きました。
容器の中で消えるのも不思議でしたが、手の中で消えることのほうが、私には数十倍も不思議に見えました。当時から私はある程度マジックをやっていましたので、手の中で消えたのはテクニックを使ったことはわかりましたが、それを教えて欲しいとお願いするのは無理だと思いあきらめかけていました。ダメと言われても仕方がないと思いながら、念のため、「その容器を買ったら、手の中で消す方法も教えてくれるの?」とたずねてみると、意外なくらいあっさり、「いいよ」という返事がありました。広瀬氏の気が変わらないうちに早速買った次第です。
教えてもらうとずいぶん簡単なテクニックなので拍子抜けしましたが、ついさっきまで、どう見ても消えたとしか思えなかったのですから、やはりうまく演じると、本物の魔法としか見えないのでしょう。
今回も前回同様、六人部慶彦氏にご協力いただきました。モデル、およびポイントとなる部分を六人部氏に指摘していただき、マジェイアが編集しました。
「フレンチ・ドロップ」を練習したい方は、「申込規定」をお読みの上、お申し込みください。