練習の必要性

 

1999/4/30

 


どのような習い事でも、練習が必要なことは言うまでもありません。勿論マジックも例外ではありません。ところがときどきびっくりするようなメールをもらうことがあります。

マジックというのは、タネさえ教えてもらえたら、それでもう人前で見せられると思っている人がいるのです。

確かにタネはマジックの重要な部分を占めています。タネがわからない限りできないのですが、マジックを人前で見せるということで言えば、タネはマジック全体の一部にすぎません。実際には演出、技法の巧拙、見せる角度、その他様々な要素が関係してきます。

現在(1999年10月末)、「オン・ライン・マジック教室」では、トランプマジック他、全部で7種類紹介しています。どれも指先のテクニックは不要ですが、このようなレベルのマジックでも、人前で見せるとなると、当然のことながら何度か練習は必要です。ところが、今までマジックをあまりやったことのない人は、タネの原理さえわかればそれでできると思い、事前の練習もしないで、すぐに人前でやってしまうのです。そのようなもので観客を楽しませることなどできません。むしろすぐにバレてしまい、笑われてしまうだけの結果になるでしょう。

ゴルフを始めたばかりの人が、実際にコースに出るまでのことを考えてみてください。ゴルフの基本的なルールは大変簡単です。ボールをクラブで打ち、なるべく少ない回数で穴に入れるだけです。それさえ知っていたら、とりあえず誰かと一緒にコースに出て、ゲームに加わることはできます。しかし、このような無謀なことをする人は普通いません。実際にコースに出るまでには、練習場で相当な数のボールを打ち、何とか前にボールが飛ぶというレベルにまでなってからコースに出るのが普通です。打ちっ放しの練習場で、少なくとも数千個から一万個くらいは打ってからコースに出るくらいのことは誰でもやっているはずです。

これはゴルフに限ったことではありません。どのような習い事でも同じです。 あるマジックをどのくらい練習すればよいのかは一概に言えません。たとえば、私が何か新しいカードマジックを本で読んだた場合、数回練習するだけで人前で見せられるくらいにはなります。これはすでにそのマジックを行うのに必要な技法や、トランプの扱いに慣れているからです。あとは手順の確認だけですみます。

「オン・ライン・マジック教室」で解説してあるものは指先のテクニックは不要ですが、このようなレベルものでも、言うまでもなく練習は必要です。今までまったくマジックをやったことのない方であれば、あのレベルでも、実際に人前で見せるまでには20回から30回くらいは練習してください。本当にそれくらいは練習してから見せてください。マジックは芸です。芸を見せるわけですから、練習もしないで見せられるなどと思わないでください。

指先のテクニックをまったく使わないものでも最低、2,30回練習は必要です。これくらいやっておけば技術的な失敗は大抵防げます。そして実際に何度か人前でやってみてください。演出などに気を使うのはそれから先のことです。最初は無理です。少なくとも技術的に失敗はしないという自信がついたら、徐々に演出などにも気に配って見せるようにしてください。

魔法都市の住人 マジェイア


INDEXindexへ 魔法都市入り口魔法都市入口へ
k-miwa@nisiq.net:Send Mail