技法は秘密の動作
ダイ・ヴァーノンが、アメリカの専門誌GENII(1968年9月号)でプロとアマチュアの差について言っています。 大変含蓄のある言葉なので、よく味わってください。特に、技術至上主義に陥りがちなマニアには、警鐘にもなるでしょう。 プロとアマチュアの大きなちがいは、プロは奇術の効果とは何であるかを知っている、ということです。プロは観客に何を見せたらよいのかを知っています。効果をよくするためには、どんなやり方でもプロは手段を選びません。 マジックで使うテクニックはいつでもシークレットムーブです。「秘密の動作」でなければなりません。ところが、腕におぼえのあるマジシャンはついテクニックを見せたくなります。同じ現象を作り出すとき、わざわざ難しいほうを選ばないと満足しないのがマニアです。しかし、技法のデモンストレーターになっても仕方がありません。 観客が見たいのは現象であって、手段ではないことを忘れないでください。
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