最初にシカゴやハリウッドで、マジックショップを長年経営していたジョー・バーグ(Joe Berg,1903-1984)の原案になる「白くなるカード」です。
現象
一組のトランプの表裏をよく見せます。普通のトランプです。観客に、表向きのトランプから、一枚、指差してもらいます。
一組全体は閉じてからおまじないをかけ、広げると、観客のカード以外、表はすべて真っ白なトランプになっています。観客のトランプだけがそのままです。これを抜き出し、テーブルの上に置いておきます。
残りはすべて表は真っ白ですが、裏模様はまだあります。これに息を吹きかけると、裏も真っ白になってしまいます。両面とも真っ白になったトランプを数枚観客に手渡し、調べてもらいます。
テーブルの上にある観客が選んだトランプを白いトランプの中に入れ、混ぜると、また一組、全部、表が現れます。続いて、裏も現れ、元の普通のトランプに戻ります。
コメント
これがジョー・バーグのオリジナルです。これに「ラフ&スムース加工」をして、ほとんど技術不要にしたものが発売されていますが、私はこの原案のほうが好きです。オリジナルでは、52枚全部、ブランクであることを見せられますが、ラフ加工したものは、そうは行きません。オリジナルは多少技法を必要としますが、「ダブルカット」と「ハーフパス」くらいのものですから、たいしたことはありません。
なお、私はこのトリックを高校生の頃、手に入れました。まだ100年にはならないでしょうが、随分昔のことです。大阪の阪神百貨店で、ディーラーをなさっていたジョニー・広瀬氏から購入したはずです。当時は海外のトリックなど、まだほとんど入っていなかった時代です。から、どういう経緯か、これが連盟の売場で販売されていました。当時は私がまだ本格的にマジックを始める前のことでしたから、「ハーフパス」などという技法もしらなかったはずなのに、広瀬氏に教えてもらったのかも知れません。
魔法都市の住人 マジェイア