My Favorite Tricks

Fred Kaps 特集17

Surprise Stab Revisited

Razor Blade
1997/12/20

最初に

これはスコッティ・ヨークのオリジナルです。フレッド・カップスが大変気に入り、スコッティ・ヨークに許可をもらい、自分のレパートリーに入れていました。原案者に対する多少のコンプリメントもあるのでしょうが、スコッティ・ヨークが言うには、カップスはこれをクロースアップマジックのトリネタにするくらい気に入っていたそうです。

現象

トランプを一組取り出し、観客に一枚覚えてもらいます。それを一組の中に戻し、トランプのケースに入れます。

ポケットから、一昔前よく使われた、柄のついた安全カミソリを取り出します。ただ、この安全カミソリは少し変わっています。手動ではなく、電気で動きます。よく見ると、柄の部分に電気のプラグがついています。(これはただのギャグです)

カミソリの部分を開き、刃を取り出します。刃には血が付いています。
そのカミソリの刃だけをトランプの箱に入れて、しばらく振っていると、中で音します。箱のふたを開けてテーブルの上に中身を全部出すと、すべてのトランプが細かく切り刻まれています。しかし、中に一枚だけ切れていない完全なトランプがあります。よく見ると、それが観客の選んだトランプです。

コメント

このマジックは20年ほど前、アメリカから来たアマチュアマジシャンに見せてもらいました。彼は大変よく勉強しており、その当時アメリカで流行っていたトリックを数多く見せてくれました。しばらくして、彼の演じてくれたトリックを雑誌や本で見つけたことが何度かありましたから、本当にホットなマジックを演じてくれていたのでしょう。

そのときも、意外性のあるクライマックスでおもしろいと思いましたが、今回、カップスの実演をビデオで見ましたら、やはり不思議でおもしろいですね。原案者のスコッティ・ヨークが演じているのもビデオで見ましたが、皮肉なもので、カップスが演じたほうがやはりおもしろいのです。

スコッティ・ヨークが1975年に出した小冊子、SCOTTY YORK LECTUREの中で、「このトリックは自分が今まで考案したものの中で最も一般の観客にウケる」と自画自賛していました。

ただ、これにはさらに元になったトリックがあります。リチャード・ヒンバーの"THE BIG TRICK"です。これはディーラーズ・アイテムとして販売されていました。すり替えに、特殊な革製のケースを使うため、商品としては売りやすかったのでしょうが、それをスコッティ・ヨークが特殊なケースを使わなくてもできるようにしたのがこの手順です。 スコッティ・ヨーク自信も、これは何度か改訂しており、一番古いものは1973年の"KABBALA (VOL.2,NO.6)"に発表しています。

魔法都市の住人 マジェイア

INDEXindexへ 魔法都市入り口魔法都市入口へ
k-miwa@nisiq.net:Send Mail