Silk in Bread
最初にこれの原案者が誰なのか正確なところはわかりませんが、十数年前から見かけるようになりました。プロマジシャンでこれをレパートリーに入れている人はかなりの数になります。
現象
20センチ角程度の白いシルクのハンカチを観客に渡して、サインをしてもらいます。
別の観客に細長い紙包みを手渡し、他の観客から見えるところでそれを持ったまましばらく立っていてもらいます。
サインをしてもらったシルクをもう一度観客に示し、小さな封筒に入れて、火をつけると、封筒が一瞬にして燃え上がり、中に入れたシルクと共に空中で燃え尽きてしまいます。
紙包みを持っている観客に中のものを取り出してもらうと、細長いフランスパンが出てきます。パンの周りをよく調べてもらい、どこにも切れ目などないことを確認してもらいます。
マジシャンはこのフランスパンを二つに切り分けます。切り口のあたりもよく見てもらいますが、何も異常はありません。二つに切ったパンのどちらかを観客に指定してもらってから、パンの切り口を少しほじくると、パンの中から白いシルクの切れ端が出てきます。それを観客自身に引っ張り出してもらい、広げてもらうと、先ほどサインをしてもらったシルクのハンカチです。
コメント
これは大変優秀なマジックです。現象もわかりやすく、相当広い会場でやっても十分見えます。
ヴァリエーションとしては、シルクを消すところで、パーティのとき、「パーン」という音と共に紙テープが飛び出るクラッカーで、ピストルのような形をしたものを使っても派手でおもしろいでしょう。あるメーカーのピストル型クラッカーは、偶然、これにぴったりだそうです。これにシルクを詰めてパンの方に向かって撃つと、シルクがピストルから消えて、パンの中から出てきます。ただ、このピストル型のクラッカーは、東急ハンズやロフトなどの、パーティグッズを置いているところでもあまり見かけませんので、それほど入手しやすいものではないようです。なければ普通にフラッシュペーパーで作った封筒で十分です。
また、フランスパン以外では、リンゴを使うものもありました。ごく普通のリンゴをよく調べてもらい、直径2センチ程度の筒のようなもので、リンゴの芯があるあたりをすっぽりくり抜きます。リンゴには上から下まで、穴が空いています。観客に穴の空いたリンゴを調べてもらい、それを紙ナプキンで全体をつつんで、お盆の上に乗せて持っていてもらいます。
あとは先ほどと同じようにして、サインのあるシルクを消します。マジシャンは、紙ナプキンで包まれたままのリンゴを、穴の空いているあたりに指を突っ込んで破ります。すると中からシルクが出てきます。
魔法都市の住人 マジェイア