Joker Monte
最初にこの「ジョーカー・モンテ」は、ヴァーノンがどこにも秘密を公開しなかったため、数多い作品群のなかでも、長い間伝説になっていました。
めったにないことですが、ヴァーノン自身が誰かから技法やトリックを習いたいと思ったとき、交換条件にこれを教えていたそうです。そのような事情もあり、ヴァーノンのマジックのなかでもトップシークレットになっていたのでしょう。今回、クロニクルのシリーズで初めて公開されました。
現象
2枚のジョーカーと、1枚の絵札(ハートのクイーン)を使います。透明なグラスを3つ用意して、3枚のカードをそれぞれグラスの中に入れます。グラスには何も仕掛けはありません。
グラスを回転させて、カードの裏が見えるようにします。このあと、グラスの場所を少し移動させ、観客に絵札はどのグラスにあるのかを当ててもらいます。しかし、何度やっても、観客は当てることができません。
コメント
現象は大変シンプルなものです。一般に「スリーカード・モンテ」と呼ばれています。
これが優れているのは、あやしげな動作を何もしていないのに、絵札を当てることができない点です。クロースアップで演じるには少々難しいのですが、パーラーなど、客席と少し距離がある状態で演じれば、大変フェアーに見えるマジックです。
実際にこれをやってみる場合、最も困難なことは、適当な大きさのグラスが見つからないことです。カードをグラスに入れたとき、カードを曲げることなく平らな状態で差し込めて、なおかつ、カードが中でまっすぐ立つくらいの大きさが必要です。深さは、カードがちょうど入るくらいが理想ですが、多少、出てもかまいません。
今のような条件のグラスを見つけるには、ポーカーサイズのカードよりも、ブリッジサイズのほうが見つけやすいと思います。あと、ギミックの作り方で、ちょっとしたアドバイスもありました。歯科用のある素材を使うのですが、必ずしもそれは必要ではありません。それを使ってギミックを作ると、あることがスムーズにできます。
THE VERNON CHRONICLES VOLUME THREE; FURTHER LOST INNER SECRETS(by Stephen Minch, L&L Publishing) に載っています。
魔法都市の住人 マジェイア