マジシャン紹介

ドン・アラン

Don Alan(1926-1999)

Don Alan

2001/6/26 記


アメリカを代表するクロース・アップ・マジシャン。1947年、21歳で空軍を退役後、G.I.BILL(復員兵援護法)を利用してハリウッドにあるチャベツ・マジック・スクールでマジックを学ぶ。 フロリダのマイアミにあるエンバシィー・ビーチ・ホテルで、1948年からクロースアップマジシャンとして、プロのスタートを切りました。この後シカゴに移り、1951年から1954年まで、バーやレストランでクロースアップマジックを見せていました。

1952年にWBKB-TVで26週続いた番組「マジック」のレギュラーになり、好評を博したため、これ以降よくテレビにも出るようになりました。1960年に当時の人気番組「エド・サリバン・ショー」に出演したあたりから全米でも広く知られるようになり、なかでも、1961年から始まった「マジック・ラーンチ・シリーズ」"Magic Ranch"は、アメリカのクロース・アップ・マジックの分野に多大な影響を与えました。

現代を代表するクロースアップマジシャンの一人であるユージン・バーガーは、もし子供のとき、この番組を見ていなければ自分はプロマジシャンになっていなかっただろうと言っているくらいです。

ドン・アランのマジックとしては「チョップ・カップ」が最もよく知られています。クライマックスに大きなボールを2個出現させるところでは、周りを観客が取り囲んでいても平気でおこなっていました。ミスディレクション、カバー、タイミングが計算されているため、このような状態であっても、観客に気づかれることはなかったのです。

これ以外にもレパートリーは数多くありますが、オリジナルといえるものはほとんどありません。しかし、どれもセリフやタイミングなどはよく練られており、プロの芸になっています。「他のマジシャンから最もコピーされたマジシャン」という称号があるくらい、多くのクロースアップマジシャンに影響を与えています。

著書としては"Close-Up Time with Don Alan"(Magic Inc.,1950)、"Pretty Sneaky"(Magic Inc,,1956)等があります。

ビデオはアメリカのスティーブンスから、"Don Alan"(1988年)が出ています。この中で、「チョップ・カップ」をはじめ、「シガー・スルー・コイン」「リング・フライト」「カード・スタブ」など、クロースアップマジックの分野で定番になっているものを解説しています。また上述のテレビ番組、「マジック・ラーンチ」が4巻のビデオとして数年前に復刻されています。(4巻セットで162ドル)

また1999年にジョン・ラッカバウマー氏(Jon Racerbaumer)の著作による"THE LEGACY OF DON ALAN"(L & L Publishing,$49.95)が発刊されました。人物紹介、ドン・アランがやっていたマジックや、マジックに対しての彼の考え方など、興味深い読み物が満載されていますのでお薦めします。

魔法都市の住人 マジェイア


upindexへ index魔法都市入口へ

k-miwa@nisiq.net:Send Mail