「シロウト」という呼び方
マニア同志の会話の中で、何気なく、そして頻繁に使われている言葉で、昔から気になっているものがあります。「観客」を意味する「素人」(シロウト)という言い方です。
「素人にはバレないよ」、「素人相手ならこれでも十分」、「素人に見せるときは……」といった具合に使われます。
このような会話を聞いた一般の人はどう思うでしょう。「この人はプロ・マジシャンなのかな?」と勘違いするかもしれません。実際には、この「素人」という言葉は「マジックをやっていない人」という意味で使われています。 ときにはごく一般的な「観客」を指す場合もあります。 マジックを始めて、まだ半年、1年くらいしか経っていない人でも、平気で「素人に見せるときは......」と言ってます。
このような会話を聞くと、私は反射的に、「じゃあ、あなたはクロウトなの?」とツッコミを入れたくなってしまいます。どうにも耳障りで、気になってしかたがありません。
「観客」という意味で、「素人」という言葉は使わないようにしましょう。普通に、「観客」「一般の人」「マジックをやっていない人」で問題ありません。
「素人」という言葉を使うのは、「素人マジシャン」のことを話題にするときくらいにしてください。「観客」のことを「素人」と呼ぶ習慣はマジック界から追放したいものです。
魔法都市の住人 マジェイア