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Arising Card

 

追加:2000年9月6日
2000年8月26日


最初に

ポルトガルのリスボンで、今年(2000年)の7月にFISMが開催されました。私は参加できなかったのですが、NDMCの田代茂氏は参加されました。これは田代氏から、おみやげにいただいたマジックです。

タイトルは"A Rising Card"の間違いではありません。"Arising Card"です。

現象

トランプの箱から一組のカードを取り出し、普通のカードであることをあらためます。52枚を箱に戻してから、デックを片手で持ちます。観客に52枚あるトランプの中から、まったく自由に、1枚だけ、好きなカードの名前を言ってもらいます。たとえば「スペードの10」と言ったとしましょう。すると、マジシャンが持っているトランプの箱から上の写真のように、そのカードがせり上がってきます。

最後はすべてのカードを箱から出して、観客が言ったスペードの10も観客に手渡して調べてもらうことも出来ます。

コメント

アルゼンチンのAristonという人の売りネタです。この人はクロースアップのコンテストでもこれだけを演じて、発明部門で2位になっています。ディーラーブースでもこれだけを販売していたそうですから、これを売るためにコンテストを利用したようなものでしょう。

マニアであれば現象を読んだだけで、どうなっているのだろうと原理ほうに関心が向くはずです。「ライジングカード」はデバノのタイプをはじめ、数多くありますが、これほどコンパクトな機構で、観客の指定したカードをせり上げてくるのは初めてでしょう。もっと大がかりなネタで、ステージ用であれば同じような現象のものもありますが、それとはまったく原理が違います。

アイディアとしてはおもしろいのですが、はたして実用になるかどうかは疑問です。昔からあるデバノタイプは数多くのマジシャンが愛用しています。しかし、これはマニアの興味をいっときひきつけても、クラシックにはならないでしょう。指先のテクニックは不要ですが、少し練習は必要です。(10分くらい(汗))。

マジッククラブの例会に持っていけば、ひとしきり話題にはなるネタです。日本でもいずれどこかのショップから販売されることと思います。

実用にならなくてもアイディアはおもしろいので、マジェイアにプレゼントしてやれば、ホームページの1回分くらいのネタにはなるだろうと思い、わざわざ買ってきてくださったのでしょう。このようなネタは実用にならなくても、十分楽しめます。

実用にならないと言っていますが、さっきも言ったように10分くらい練習すれば、たぶん人前で見せても大丈夫でしょう。原案者本人が演じれば慣れていることもあり、スムースに上がってくるそうです。指先、目(老眼の人にはつらいかも)、頭の回転、この三つが必要です。どれかが極端に悪いと、マスターするまでにもう少し時間がかかるかもしれません。

値段は田代氏もよく覚えていないそうです。それほど高いものではなく、日本円で1,000円程度であったと思うとおっしゃっていましたが、実際のところ、2,000円から3,000円くらいの間ではないかと思います。

原案者はe-mailのアドレスを持っているようです。以下のメールアドレスは解説書に書いてあったものです。 どうしても手に入れたい方は、直接、問い合わせてみてください。たぶん英語で何とかなるのではないでしょうか。

magia.ariston@ba.net

追加のコメント(2000/9/6)

やはり8月末から、海外のショップや雑誌でこれの広告が出始めました。ハンクリーのところでは$49.95だそうです。

デバノタイプと比べて、これの最大の欠点は、カードが上がってくる間、ケースを手で持っていなくてはならない点です。デバノタイプなら、カード全体を机の上や、グラスに入れたままで、術者は手に持つ必要はありません。このため、大変不思議に見えるのですが、手で持ったままでは効果は激減すると思います。

 


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