製品情報

製品名 BRAIN WAVE DECK
ブレイン・ウエーブ・デック
原案者

Dai Vernon

発売元

大抵のショップにあります

価 格 日本では2,000円前後
分 類 クロースアップ、カード

 

Brain Wave

1998年10月14日

最初に

ダイ・ヴァーノンの原案になるカード・マジックです。ヴァーノンのカード・マジックやコイン・マジックは、何の仕掛けもない、ごく普通のトランプやコインでできるものがほとんどです。そのため、商品になりにくいのですが、これはディーラーズ・アイテムとして最適なため、世界中でベストセラーになった商品です。

現象

テーブルの上にトランプを一組取り出します。ケースに入ったままで、箱から取り出さずに置いておきます。

ここで昨晩見た夢の話をします。
「昨晩、あなたが夢に出てきました。私があなたにマジックを見せている夢です。今までの経験でも、そのような夢をみたとき、実際の場面でも同じようなことが起きることが何度かありました。あなたは「まさゆめ」というのを信じますか?いえ、信じても、信じなくても構いません。もうすでに準備は出来ています。私は昨晩、夢の中であなたに一枚のトランプを心の中でイメージしてもらうようにお願いしました。ジョーカー以外の52枚の中から、一枚だけ心の中で思ってください。このようなことをお願いすると、女性であれば「ハートのエース」、男性であれば「クラブの7」などを思い浮かべる人が多いのですが、本当に何でもかまいません。静かに心の中で一枚だけ思い浮かべてください」

観客が「思った」と言ったら、「では机の上を見てください。先ほどから一組のトランプがケースに入ったまま置いてあります。この中の一枚は、あなたが昨晩私の夢の中で思い浮かべたトランプが入っています。正確には52枚の中で、1枚だけ一組の中でひっくり返して入れてあります。裏表が一枚だけ逆になっています。もしそれが、今思ったトランプと一致していたら不思議ではありませんか?」

ここではじめて観客に今思ったトランプの名前を告げてもらいます。

観客の思ったトランプは「スペードの9」であったとします。机の上のケースからトランプを一組抜き出し、裏向きのまま全体を広げて行きます。すると途中に一枚だけ表向きのトランプが現れます。それはまさに「スペードの9」です。

「どうです、驚きましたか?でもこれを見せると、私が今トランプを広げて行くときに何かのテクニックを使って、スペードの9をこっそりひっくり返したのではないかと疑う方もおられます。そのような疑念をはらうために、このスペードの9は別の裏模様のトランプから1枚抜き出し、差し込んでおきました」

52枚のトランプの裏模様はすべて赤裏であるのに、スペードの9をひっくり返して裏を見せると、その一枚だけ青裏のトランプです。

コメント

トランプを使うメンタルマジックの中でも最高傑作の一つです。原理も現象もすばらしく、さすがヴァーノンです。

このマジックは日本の多くのマジックショップが販売しています。また、マジックを始めたばかりの人でも、比較的初期に購入するカードマジックの一つだと思います。そのため、マニアでこれを演じている人を見かけることはあまりありません。しかし、これは間違いなく超1級のメンタルマジックです。

このマジックはテクニックは一切不要ですから、まったくマジックをやったことがない人でも、10分も練習すればできるようになります。そのため、マジックを始めたばかりの頃にこれを購入して、演出のことも何も考慮しないまま演じた人が大半のはずです。おそらく、「即席の予言マジック」程度のつもりで演じたはずです。それでも観客は驚いてくれたでしょうが、それではこのトリックのよさの数分の一も体験できません。

優秀なメンタルマジックの条件のひとつとして、指先のテクニックが不要であることがあげられます。この「ブレイン・ウエーブ」も手先のテクニックはいらないのですから、演出だけに全精力を傾けられます。他には一切マジックを見せないで、これだけをきちんと自分なりの演出で見せる練習をすると、メンタルマジックを見せるコツがわかってきます。それを子供のおもちゃのようなつもりで、「即席の予言」として演じていたのでは、いつまでたってもうまくなれません。文字通り、「世紀の大傑作」ですから、けっしておろそかに扱わないでください。

魔法都市の住人 マジェイア

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