Card Sword
製品名 |
剣刺しカード |
価 格 | 19,800円 |
販売元 |
テンヨー |
分 類 | パーラー、カード、剣 |
2000年3月9日
最初に
トランプ一組を空中に投げ上げ、ばらばらになって落ちてきたところを剣で突き刺すステージ用のマジックがあります。現象が派手なため、プロの人でも、これをレパートリーに入れているマジシャンは少なくありません。
ステージ用の剣を使うものはこれまで安くても4,5万円していましたが、今回売り出されたものはそれと比べると随分安くなっています。
現象
観客に一組のトランプの中から1枚引いて覚えてもらいます。2,3名同時に引いて覚えてもらっても構いません。そのトランプを覚えてもらったら一組の中に戻し、よく切り混ぜます。
マジシャンは長さが1メートルほどの剣を取り出し、トランプ一組を空中に投げ上げます。52枚のトランプが木の葉のように舞いながら落ちてきます。 落ちてきたトランプを目がけて剣を突き出すと、剣にはトランプが突き刺さっています。3人に取ってもらったのでしたら、一度に3枚のトランプを突き刺します。
剣に刺さっているトランプを見せると、まさにそれが観客のトランプです。
コメント
上の現象で説明したものが、ステージで一般におこなわれている「剣刺しカード」です。ステージで演じるのであればこれくらい派手でもよいのですが、少々道具が大げさなため、クロースアップで演じるには無理です。
しかし今から20年ほど前、ジョン・ケネディというマジシャンがクロースアップでも可能な「剣刺しカード」を売り出しました。今でも大手のマジックショップであれば扱っています。 「カード・スタブ」("Card Stab"$30.00)です。
クロースアップマジック用ですから、1メートルもある剣ではなく、長さ5,6センチのポケットナイフを使います。添付されていたのはスイスアーミーの小さなナイフです。
現象はステージ用のものと基本的には同じです。
観客にトランプを1枚引いてもらいます。これはトランプの表にサインをしてもらっても構いません。そのトランプを返してもらい、他のトランプと一緒にしてよく切り混ぜます。空中に20数枚のトランプを投げ上げ、落ちてきたトランプに向かってポケットナイフを突き出すと、1枚のトランプが刺さります。刺さっているトランプを見せると、サインのある観客のトランプです。
最後に一言
ステージ用の剣を使うものも、ケネディのポケットナイフを使うものも、現象はどちらも悪くないのですが、これをアマチュアの人がやっているのを見たことはほとんどありません。理由は、空中にトランプを投げ上げるため、落ちたトランプが床に散乱し、その処理が面倒だからです。
かっこよく剣でトランプを突き刺しても、その後マジシャンが床をはいずり回ってトランプを拾い集めるのでは興ざめです。トリネタとして最後に演じて、そのまま去ればよいのですが、状況によっては落ちたトランプを放っておくことができない場合もあります。どうしても片づけなければならないこともありますので、助手でもいればよいのですが、一人ではこれが困ります。特に食卓でこれを演じるのはまず無理です。テーブルには皿やグラスに入った飲み物がありますから、そのようなものの上に落ちる可能性があれば絶対にできません。そのため、ケネディの「カード・スタブ」も、アイディアは大変おもしろいのですが、実演する機会はめったにありません。せいぜいマニアの集まりか、コンベンションなどでしか演じることはできないでしょう。
しかし現象自体は大変派手でわかりやすいマジックですから、条件さえ整えばぜひ一度やってみてください。
魔法都市の住人 マジェイア