製品名 |
New Chinese Miser's Dream |
原案者 |
Henry Evans(ヘンリー・エバンス) |
価 格 | $198.00 |
分 類 |
コイン マイザーズドリーム |
最初に
先日、前田知洋さんが出演された番組「スーパーテレビ特別版」の中で、コンベンションのディーラーズ・ブースが紹介されていました。その中の一つに、ヘンリー・エバンスのブースもありました。そこでエバンス自身が演じていたのが「チャイニーズ・マイザーズ・ドリーム」です。
現象
第1段
ハーフダラーと同じくらいの大きさの穴あきコイン(チャイニーズコイン)が2枚あります。マジシャンはこの2枚を左手に握ります。1枚を拳から取り出し、ポケットに入れます。観客に手の中にはコインが何枚あるかとたずねると、「1枚」と答えるでしょう。しかし手を開くと、3枚のチャイニーズコインが現れます。
もう一度同じように1枚のコインをポケットに入れます。手を開くと今度は4枚になっています。第2段
2枚のトランプを取り出し、裏表ともあらため、何もないことをはっきりと示します。
トランプを重ね合わせると、トランプの間から大きなチャイニーズコインが1枚出現します。下の写真でもわかるように、コインの直径はポーカーサイズのトランプの横幅とほぼ同じくらいの大きさですので出現したとき迫力があります。
もう一度、2枚のトランプと両手をしっかり観客に見せたあと、先ほどと同じようにトランプをあわせると、また大きなチャイニーズコインが出現します。これが立て続けに起こり、計4枚の大きなチャイニーズコインが出現します。
コメント
このマジックの原案になったのは、ジェリー・アンドラスの「マイザーズ・ミラクル」でしょう。アンドラスのマジックはレギュラーコインで演じることのできるコインマジックとしては「世界のコインマジックベスト10」に入れてもおかしくないくらいの傑作です。意外性と不思議さもあり、原案どおりに演じると、観客に与えるインパクトはかなりのものがあります。
大変優れたマジックなのですが、オリジナルの手順ではトランプを破る必要があります。破らなくても演じることはできますが、このマジックを演じるのであれば原案どおりトランプを破るところまで演じたいのです。しかし私はトランプを破るということに対して抵抗があります。このことに関しては以前「ラウンドテーブル」に書きましたので興味のある方はお読みください。手短に言えば、カードを破るという行為は、一般の観客に不要なストレスを与える可能性があるため極力避けたいのです。
一方、今回紹介したヘンリー・エバンスの「チャイニーズ・マイザーズ・ドリーム」はカードを破る必要はありません。また、現象が派手な割にはネタとミスディレクションが大変よくできているため、見た目から受ける印象とは裏腹に、以外なくらい易しく演じることができます。少なくとも、一般的な「コインアセンブリー」が演じられるのであれば、数時間練習すれば、とりあえずは演じられるでしょう。
私が感心したのは、大きなコインをスティールする際のミスディレクションです。この部分がよくできているため、一番重要な部分が自然にできるようになっています。
コインマジックでこれほど驚いたのは、フレッド・カップスの「ジャンボ・チャイニーズ・コイン・ルーティン」以来かも知れません。カップスの手順はいつでもどこでも演じるというわけにはいかないのですが、エバンスのは半袖、上着なし、観客に周りを囲まれた状態でも手軽に演じることができます。
補足
購入を考えておられる方に一言付け加えておきます。
私自身はエバンスが実演しているテレビを見ましたので、現象はわかっていました。しかしエバンスが実演しているのをまだ見ていないのでしたら購入するのはやめた方がよいかも知れません。とにかく商品に添付されている解説書がひどすぎるのです。そのため、エバンスのビデオやDVD、または先日の番組を録画したものでもないのであれば、購入はひかえた方がよいと思います。解説書には絵や写真ももなく、一番肝心な部分、つまりどうやって、どのようなタイミングでスティールをするのか、そのあたりの説明もないため、よくわからないのです。まるで数十年前、街頭で販売されていた手品に付いているような解説書です。
先日のスーパーテレビでは第1段はカットされていたようで放送はされていませんでしたが、この部分は大変簡単ですので解説書だけで十分わかると思います。
魔法都市の住人 マジェイア