製品情報

 

製品名 Die Cipher II
ダイ・サイファーII
価 格 $29.95

購入先

Hank Lee's Magic Factory
発売元 Chazpro
分 類 メンタル、ダイス、透視

ダイサイファーII

2001年1月6日


最初に

マジックでは、同じような現象に見えても、裏でやっていることはまったく異なっている場合が少なくありません。今回「ダイサイファー」と一緒に、4つ同じような現象のトリックを紹介します。この4つはどれもサイコロを小さな容器に入れ、ふたをした状態で中の目を透視するというマジックです。同じように見えますが、原理も仕掛けもまったくちがっていますので、ひとつの方法を知っていても、他の方法でやられたら、ころりと引っかかってしまうのがマジックの面白いところです。

現象

私が手に入れた順に紹介します。

1.「サイコロの透視」

サイコロの透視

今から40数年前に購入しました。昔は単品でも販売されていましたが、今では入門者用の手品セットに入っていることが多く、単品では売っていないのでしょうか。デパートのマジックコーナーには数多くのマジックがありますが、これは最も値段の安いもののひとつでした。

海外では「カラー・ビジョン・ボックス」という名前で1ドル程度で販売されていました。中に入れるのはサイコロではなく、6面に異なった色が塗ってある立方体です。その色を当てるというものでした。タネンの古いカタログ(1970年代)を見ると、1ドルです。今でも2、3ドルでしょう。

現象は、マジシャンが後ろを向いている間に、観客に好きな目を上にして赤いケースの中にサイコロを入れてもらいます。ふたをしたらマジシャンに渡してもらいます。マジシャンは後ろ手でケースを受け取ります。正面を向き直り、ケースをじっと上から凝視して、中の目を透視します。勿論観客がやっても見えることはありません。

これは子供用のセットに入っているくらいですから、決して難しいものではありません。そのようなセットに入っている場合、やさしく演じる方法が解説されていると思いますが、箱を振りながら音で当てるという演出もあります。このとき、相当大胆なことをやっているのですが、一連の動作の中で「秘密の動作」がカバーされます。マジックを始めたばかりの頃は、このような大胆なことが観客の目の前でできるとは思えません。しかし実際にやってみると、意外なくらいばれないものです。そのことに演者の方が驚くくらいです。

私の手元にはこのタイプのものがどういうわけか数個あります。ヤスリをかけたりして、使い勝手をよくした形跡があります。私のマジックの原点とも言ってよいようなトリックだからかもしれませんが、今でも愛着のあるマジックです。

2.ダイスワンダー "Dice Wonder"

ダイスワンダー

これも昔は2ドル程度で販売されていました。今もどこかのメーカーが出しているのでしょうか。

二重になった筒とふたを使います。まず観客に小さい容器を渡して、好きな目を上にして中に入れてもらいます。ふたもしっかりしてもらったら、マジシャンはそれを受け取り、容器のどこからも中のサイコロは見えないことを観客に確認してもらいます。この容器を大きい容器に入れてもらい、ふたをしてもらいます。その状態で、中のサイコロの目を透視します。

これは先のボックス型のものを知っている人に見せると大変驚きます。原理がまったくちがうため、こちらの原理を知らないと不可能に思えます。

3.Die Cipher

ダイサイファー

今回紹介する「ダイサイファーII」の前に発売されていたものです。

アルミでできたサイコロと容器を使います。今までと同じように、マジシャンに見えないように観客にサイコロを容器に入れてもらいます。さらに布の袋に入れてもらってもかまいません。それでもマジシャンは透視します。

4.Die Cipher II

3のDie Cipherを改良したものです。写真はこの画面の一番上を見てください。

実は3のDie Cipherでは100%正確には当てられなかったのです。確率1/2まではわかるのですが、その後は言葉による誘導が必要でした。しかし4のセカンドは、ほんのちょっとした改良で、100%正確に透視できるようになりました。改良点は本当にちょっとしたことなのですが、それでこれだけ劇的にかわるのですから、アイディアの勝利です。3を持っている人に、言葉の誘導なしでずばり当てて見せると、相当驚きます。

3のDie Cipherは素材がアルミでしたが、4のセカンドは真鍮(しんちゅう)になっています。

コメント

私は1から4まで、この順に入手しました。古くからマジックをやっている人であれば、大抵この順だと思います。後に行くほど道具がよくできており、不思議さが増すと思いがちですが、必ずしもそうではありません。もし最初に2の道具を手に入れて、1を知らなかったら、はじめて見せられると大抵引っかかるものです。

1や2を知っている人に4を見せると、これも驚きます。1や2の原理が使えないことは道具を見ればすぐにわかるからです。4を知っていても、2を知らなければやはり驚きます。

もしこれを全部持っているのでしたら、1,2,4の順で見せることをおすすめします。この3つは続けて演じても大丈夫です。「サーストンの3原則」を破るものではありません。同じような現象に見えますが、裏でやっていることはまったくちがっていますので、連続してもタネがばれることはありません。一般にはやはりこの順で不可能であるという印象を強く与えます。

Die Cipherという名前は、英単語のdecipher{ディサイファー」(暗号を解読する、判読する)から作ったものでしょう。

魔法都市の住人 マジェイア


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