製品名 | The Duvivier Coin Box |
発売元 |
MAYETTE MAGIC MODERNE |
価 格 | アメリカのバズビーのところでは100ドル |
分 類 |
クロースアップ、コイン、コインボックス |
最初に
ドュビィヴィエはフランス人のクロース・アップ・マジシャンです。バーを経営していて、そこでも見せている人です。風貌、物腰が何とも強面(こわもて)で、ちょっと柄の悪そうなオヤジですので、個人的にはあまりお友達にはなりたくない人です。しかし人物とその人の考案したマジックは別です。これ以外にも、マニアが興味を引くマジックをいくつか考案しています。
現象
コインボックスを使ったルーティンです。最初にざっと現象を紹介します。
第1段: プラスチックの小さな黒い箱を開けると、中に真鍮でできたコインボックスがあります。ハーフダラーが4枚入ります。これを箱からとりだし、ふたを取り、中に入っているハーフダラーも全部出して、テーブルの上に並べます。ここですべての道具を観客に渡して調べてもらってもかまいません。
コインボックスに4枚のハーフダラーを入れた後、黒い箱だけ閉じます。コインボックスの蓋を取って、中にハーフダラーが4枚入っていることをもう一度確認してもらったあと、蓋をします。コインボックスはテーブルの上に置きます。おまじないをかけたあと、コインボックスのふたを取ると中は空っぽになっています。黒い箱を開けると、中から4枚のハーフダラーが現れます。
第2段: 4枚のハーフダラーのうち、1枚を観客に選んでもらいます。残りの3枚を左手に握り、観客の選んだハーフダラーはポケットに入れてしまいます。ところが左手からコインを出してゆくと、ポケットに入れたハーフダラーが左手に戻っており、4枚のコインが出てきます。
第3段: 4枚のハーフダラーをコインボックスに入れ蓋をします。それをさらに黒い箱に入れてしまいます。この状態で、コインを一枚ずつ抜き出すと宣言して、右手で箱の上をたたくと、1枚目のコインが出現します。これをポケットに入れます。1枚ずつだと面倒なので、一度にコインをポケットに飛行させると宣言して、おまじないをかけた後、ポケットに手を入れると4枚のコインがすべて現れます。
観客に箱とコインボックスを開けてもらい、コインボックスの中が空になっていることを確かめてもらいますが、観客がコインボックスの蓋を取ると、コインの入るスペースがなくなり、「むく」の真鍮のかたまりになっています。
コメント
「オキトのコインボックス」と呼ばれる真鍮製の箱があります。箱と言っても、実際はハーフダラーが4、5枚入る丸いもので、それに蓋が付いています。レギュラーの「オキトのコインボックス」と何の仕掛けもないレギュラーコインだけで演じるものや、ギミックコインと組み合わせたり、コインボックス自体に仕掛けのあるものなど、数多くのバリエーションが発表されています。
基本的には「貫通現象」なのですが、最後にクライマックスを付ける場合、今回のようにボックスがむくの真鍮のかたまりになってしまうものや、最後にボックスから水やワインが出現したり、蓋を取ると小さなバネ花が飛び出すものなどもあります。無理にクライマックスを付けなくてもよいと思うのですが、マニアはついこのようなところにこだわってしまいます。
「むく」になるタイプにはボックスを丸ごとすり替えてしまうものもありますが、このドュビィヴィエのはすり替える必要はありません。本当に1個しか使用しないのに、最後は真鍮のかたまりになってしまいます。
ドュビィヴィエのマジックの中では、"Printing"(1974年)が世界的にヒットしました。これを発展させた「カメレオンカード」や、トライアンフ現象の"The Deck That Shuffles itself!"などもあります。
補足
私は数年前、バスビーのところから100ドルで購入したのですが、現在もバズビーのところで扱っているかどうかは不明です。フランスでは以下の店が発売元のようです。興味のある方はお問い合わせください。
MAYETTE MAGIE MODERNE
8 rue des Carmes, 75005 Paris (FRANCE)
Tel:(33-1)43-54-13-63
Fax:(33-1)44-07-19-39
魔法都市の住人 マジェイア