製品名 |
Egg on Fan |
価 格 | $15.00 |
製造元 |
Weller Magic(ドイツ) |
購入先 | Hank Lee's Magic Factory |
分 類 | 玉子、パーラー |
1998年8月30日
最初に
これは江戸時代からありました。私も昔から知っていましたが、実際にやるとなると、自分で本物の玉子を加工して作る必要があります。それが思いの外面倒で、またやったとしても、成功するまでには相当の数の玉子で試してみないことにはうまく出来ないだろうと思い、あきらめていました。しかし、自作しなくても、ほぼ同じことができるネタがハンク・リーのカタログにありましたので、2年ほど前、購入しました。
現象
ティッシュペーパーを一枚細かく破ります。それを小さく折り畳んで扇子の上に置き、何度か扇子の上で軽くポンポンと跳ね上げていると徐々に丸く膨らんできて玉子になります。グラスに割ってみせると、間違いなく本物の玉子になっています。
コメント
このマジックの優秀さは、マジックをやっている人なら容易に想像できると思います。しかし、今までだれもあまりやらなかったのは、ネタを作るのが大変難しいからです。私も実際にTVでこれを見たのは、数年前、Mr.マリックがやっているのを見たくらいです。最近では、Mr.Colorという若手のマジシャンもやっていたと思います。大阪では、赤松洋一氏が20年くらい前に実際に演じておられました。やってみると、びっくりするくらい一般ウケします。
一言申し添えますが、上で紹介したネタを購入しても、詳しいハンドリングなどは書いてありません。そのため、やり方は知っているけれど、ネタを作るのが面倒という人に限り、購入してください。本物の玉子で作ったものは数回実演したら破れますが、これは繰り返し使うことが出来ます。
最後に一言
インターネットで知り合ったアメリカ人のマジシャンから、"Egg on Fan"について、詳しく教えてもらいました。昔、アメリカにはこれを得意芸にしていたマジシャンがいて、その人のやっていた方法や、ネタの作り方をメールで送ってくれたのです。なんでも、彼がそのマジシャンの家に行ったら、風呂の中に数十個の玉子が浮かんでいて驚いたことがあるそうです。プロで、このマジックを得意芸にしているマジシャンであれば、ネタを作るとき、まとめて数十個作っておいたほうが便利だからでしょう。鍋などより、バスタブを使った方が一度に大量に作ることが出来ますが、ある薬品を入れて殻を溶かす必要があるのに、こんなことをして風呂が傷まないかと心配になります。使う玉子は、ニワトリのものではなく、アヒルの玉子がベストです。ニワトリの玉子ではできあがったネタが薄すぎて強度に問題があり、他の鳥の玉子では色に問題があるそうです。
上で紹介した製品を購入すると、作る手間は省けますが、本物の玉子で作ったものより早く膨らむのが欠点です。あまり早く膨らむより、ある程度、扇子の上で跳ね上げているうちに、徐々に膨らむ方がよいのです。製品版はその点が少し不満です。
オリジナルの現象は、上記のように扇子を使って演じるのですが、透明なコップの中に破った紙を入れ、それを軽く振っているとコップの中で膨らんでくるという見せ方もあります。アメリカでは昔、コップを使うためのネタも販売されていたことがあるそうです。これも悪くありません。これも別のアメリカ人のマジシャンから教えてもらいました。
それにしてもインターネットって不思議です。今まで一面識もなかった外国のマジシャンが、私がした、たった数行の質問に対して、「何でここまで教えてくれるの?」と、こっちが驚くほど反応してくれます。もらったメールを読んでいると、それは私の質問の中に、"something"を感じたからだそうです。クレイジーなヤツだというのが、わずか数行の英文からでも伝わったのでしょうか(汗)。"There is a will, there is a way."というのは本当のようですよ(笑)。
魔法都市の住人 マジェイア