製品名 |
アニメーションー・カード |
購入先 | テンヨー |
原案者 | ダン・ハーラン |
価 格 | 1,400円 |
分 類 | クロースアップ、パラパラ、カード |
2003年9月19日
最初に
10年ほど前、ダン・ハーランが「パラパラ漫画」の原理を利用したカードマジックを考案しました。これはその原理を使ったニューバージョンです。テンヨーとの合作のようです。ダン・ハーラン自身、過去に数点発表していますが、今回のものがベストでしょう。先日、テンヨーの売り場で見せてもらうまであまり期待していなかったのに、実際に見ると、これは絶対女性に受けると思いました。早速購入し、そのあとすぐに何度か実演しましたが、女性には予想していた以上の反応が返ってきました。
現象
「今から妖精を飛ばしてみたいと思います」
このセリフだけで、大抵の観客は興味を示します。
マジシャンは一組のトランプを取り出し、カードの裏面、四隅に妖精が描かれているトランプを見せます。ジョーカーも妖精になっています。観客に、このトランプ52枚の中から、好きなカードの名前を一枚言ってもらいます。これはまったく自由に選んでもらってかまいません。たとえば選ばれたカードが「ハートの7」とします。
マジシャンはデックを裏向きに持ち、カードの端をパラパラと弾いていきます。すると隅に描かれていた妖精が突然動きだし、まるで本当に飛んでいるようにデックの中を動きます。最後に、妖精が手に持っているマジック・ウォンド(魔法の杖)を一振りすると、小さく描かれたハートの7がウォンドの先に出現します。
コメント
このマジックはカードを弾く部分だけに限れば、5、6秒で終わってしまいます。そのため、少しでも観客の注意がそれると、見過ごされてしまう可能性がありますので、二段階に分けた方がよいかも知れません。つまり、弾くとき、一回目はデックの中程までで弾いたら、いったんそこでやめます。これだけでも妖精が飛んでいることがわかります。ここでやめて、妖精が飛んでいるところを確認してもらったら、「では今から妖精があなたの選んだカードを取り出しますからよく見ていてください」と言って、もう一度最初から弾くと、飛んでいるところもはっきり確認でき、最後に自分の選んだカードが出現する部分まで余裕を持って見ることができるでしょう。
素材が妖精というファンタジーなものであり、また現象も大変ビジュアルですので、一般的なカードマジックが好きではない人にも受け入れられます。妖精が飛ぶ場面は、まるでティンカー・ベルのようだという感想もありました。
このマジックはダン・ハーランのアニメイテイッドカードの原理に、テンヨーのスタッフが妖精を使うというアイデアを付け加えて完成したのだと思いますが、近年希なほどうまくいったコラボレーションです。
テンヨーの製品はどれも製品の出来具合の割には安くて良いのですが、マニアが自分のレパートリーにするにはもうひとつ、というものが多かったはずです。しかしこのマジックはマニアでも鞄の中に入れておきたいマジックのひとつになるのではないでしょうか。