最初に

ドイツ人のメンタリスト、テッド・レスリーのネタです。メンタルマジックの分野では、現在、もっとも注目している人です。実用的なものが多く、昔からあるものをうまく現代風にアレンジする才能はなかなかのものです。

マニアの人は以下の現象をよく読んでください。商品名から「フォース」であることはわかるのですが、どのような原理になっているのか推測してみてください。

現象

デックを取り出し、観客に手渡します。トランプの表をよく見てもらって、５２枚そろっている普通のトランプであることを確認してもらいます。観客が十分納得したら、裏向きにして、よく切り混ぜてもらいます。

適当なところでトランプを二つに分けてもらい、分けたところのトランプの表を見ないで、上着の内ポケットに入れてもらいます。

もう一人、観客から助手になってもらう人を選び、出てきてもらいます。その人に、別のトランプを一組渡します。箱からトランプを出してもらい、表を自分のほうに向け、広げて行き、何か特別なトランプを感じたら、その一枚を抜き出してもらいます。仮に、それがダイヤの８としましょう。最初の観客に、ポケットから先ほど選んだトランプを取り出してもらい、それを読み上げてもらいます。すると、それもダイヤの８です。

コメント

どうです？結構不思議でしょう？マニアであれば、この商品名から「フォース」であるとわかるでしょう。しかし、どうやってフォースしたのかはわからないと思います。あまり使われていない原理です。原理そのものはヴァーノンの古いマジックにもあったと思いますが、それをもう少し確実にできるようにしています。

上の「現象」で説明したことに、省略はほとんど入っていません。マニアが見ても、実際、あのとおりに見えます。大阪奇術愛好会の例会でメンバーにみせましたが、松田、三田、田中、赤松といった博覧強記のメンバーでさえ、完全にはフォローできていませんでしたから、かなり優秀な方法かもしれません。

何にでも使えるという方法ではないけれど、ある種の予言には大変効果的でしょう。