製品情報

製品名 The Ultimate Hot Rod
価 格 $25.00
購入先 Stevns Magic Emporium
分 類 パドル

Hot Rod

1999年5月7日


最初に

「パドルムーブ」を使うマジックの一つです。「パドル物」だけでも、うちにはいったいいくつあるのかわからないくらいありますが、また買ってしまいました。

このトリック自体は10年くらい前から知っていましたが、見るからに怪しげで、パドル本来の素朴さもなく、そのため興味もなかったのです。数ヶ月前、よくメールをいただくO氏がアメリカのマジックショップ、スティーブンスにメールを出したとき、この"Ultimate Hot Rod"を薦めてきたそうです。

私も買ったところで、絶対自分ではやることはないとわかっていましたが、そんなに薦めるのなら一つ買っておこうかと思い注文しました。25ドルという値段にすれば、作りはよくできています。観客に渡しても仕掛けはわかりません。

現象

現物は上の写真のような物です。しんちゅうで出来ており、長さは10センチ程度の細長い棒です。そこに6個のくぼみがあり、それぞれに色がついています。

上の写真では6色の色がついていますが、最初取り出してきたときはすべての穴は同じ色(青)になっています。

両面を見せて、裏も表も6個のくぼみがあり、全部青く塗られていることを見せます。くぼみがいくつあるか数えてもらいます。6個です。

この6個から、好きな色を一つ選んでもらいます。好きな色を選ぶと言っても全部青なので、観客は怪訝な顔をします。

「あっ、今は全部同じ色でしたね」

マジシャンが棒をひと振りすると、6個はすべて異なった色になります。

ここで観客に、1から6までの間の好きな数字を言ってもらいます。たとえば「3」と言ったします。端から数えて3番目の色は「赤」です。

ここでまたマジシャンは棒を軽く振るなり、手で一瞬覆うと、穴の色が全部赤になっています。裏もすべての穴が赤になっています。この棒を観客に渡して、調べてもらいます。

コメント

このマジックは今まで一度もやったことがなかったのですが、つい先日、一度やってみました。そのときは「3」が選ばれ、問題なくできました。観客は私が想像していた以上に驚いていました。こんなに驚いてくれるのなら、レパートリーに入れてもよいかなと思ったくらいです。ただ、問題もあります。以下の文章は、マジックをやっている人以外、読まないでください。"FOR MAGICIANS ONLY"です。

少しマジックをやっている人なら、昔からあるネタで、細長いアクリルの棒に6個から8個くらいの宝石が張り付けてあるものを知っているはずです。宝石の色は全部異なっています。このうち一つを選んでもらうと、棒の宝石が全部、選ばれたものに変化するというマジックです。

これと基本的には同じなのですが、3段階で変化するのと、最後に棒を調べてもらえるのがこの「ホット・ロッド」です。しかし、アクリル製のものと同じ弱点があります。

マニアがこのマジックをほとんどやらないのは、観客に1から6までの数字を言ってもらうとき、3か4であればよいのですが、それ以外のとき、処理の仕方を変える必要があるからです。変えても、それが十分納得できるものであればよいのですが、その部分の処理が今ひとつすっきりしたものでないため、誰もやらないのでしょう。添付されていました解説書では「スペル」を使う方法が載っています。One,Two,Five,Sixです。これはイヤでしょう?

「1から6の間」と言えば、3また4が選ばれる率は、今までの経験では7割くらいですから大抵の場合、問題なく出来ます。しかし、3割くらいはそうでない場合もありますから、その場合のことも考えておかないと、実際にはできません。日本で英語のスペルを使うのはいかにもわざとらしくて、出来ることななら、このようなものは使いたくありません。

それで実際に私がやっている方法ですが、マジシャンズ・チョイスを使っています。今、観客が3,4以外の数字を言ったとします。たとえば「2」と言ったとしましょう。もう一つ、言ってもらいます。ここで3か4を言ったとします。この場合、観客に2番目と3番目(または4番目)の点を両手の人差し指でそれぞれ押さえてもらいます。どちから、片方だけ離してもらいます。後は、マジシャンズチョイスを知っている方であれば、適当にせりふを考えてください。それでOKです。

大抵の場合、これでうまく行くはずです。もし、2と5が選ばれたときはどうしましょう。これは確率的には1/6 * 1/5 * 2 =1/15ですから、15回に一回くらいしか起きません。ですから、もし2と5が選ばれたら、今日は日が悪いと思ってやめるか、後の処理を自分で何とかする自信があるのなら続けてください。

1か6が選ばれたときは、「1と6の間ですから、1と6は省いてください」と言って、それは除外してもらってよいでしょう。

このマジック用に、完璧なマジシャンズチョイスを組み立てることも難しくありませんが、これはそこまでやって演じるようなトリックではありません。もし失敗したら、笑ってごまかせるような相手にチャレンジしてみてください。うまく行ったときは、予想外に驚いてくれます。「案ずるより産むが易い」ものですから、一度やってみてください。

魔法都市の住人 マジェイア


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