ビデオ紹介

製品名
Who's Afraid of Invisible Thread
演 者 Jon LeClair
価 格 $35.00
発行日 1998年
購入先 Stevens Magic Emprium
発行 Richard Kaufman

 

1998年12月19日

最初に

昨年(97年)出たJon LeClairの本、The Art of Invisible Thread.($29.95)のビデオ版です。本だけではわからなかったことも、ビデオでは感じがよくわかります。

タイトルが"Who's Afraid of Invisible Thread?"(誰がインビジブル・スレッドを恐がるの?)となっていることからもわかるように、インビジブル・スレッドを扱うことは思いのほか簡単であることがわかると思います。本をすでに持っている人はこのビデオを買ってもよいのですが、これから買うのであれば本は必ずしも必要ではありません。このビデオだけで十分でしょう。

内容

Floating Bill:観客から借りたお札が浮かぶ。

Erectile Bill:お札を縦長に折ったものが、手のひらの上で立ち上がる。

Animated Matchbox:マッチ箱が手のひらの上で立ったり、箱が自動的に開いたりする。

Defying Death:メモ用紙に、3人は生きた人の名前を、一人はすでに亡くなっている人の名前を書いてもらい、それを大きなビンに入れる。亡くなった人の名前を書いたメモ用紙だけが浮揚してくる。(なかなかよい)、

Animated Ring:鉛筆に観客の指輪を通すと、指輪が上昇したり、観客自身が鉛筆を水平に持っているのに、指輪が勝手に動き、鉛筆からはずれる。

Cigarette Follies:テーブルに置いた一本のたばこが飛び上がる。

Staic Card:ゲータン・ブルームのマジック。テーブルの上に一枚のトランプやお札が何の支えもないのに立つ。

Whirling Card:名刺やトランプを指先ではじくと、体の周りを一回転して、ブーメランのように戻ってくる。

あと、このビデオ、および本にはインビジブル・スレッドと肌色のパテが付いています。また、インビジブル・スレッドは、ある日用品から簡単に作ることができます。その作り方もビデオでは解説しています。

コメント

今から20数年前、まだフレッド・カップスの「フローティング・コルク」もあまり知られていなかった頃、私もよくジャリを使ったマジックをやっていました。Finn Jon"Esoteric"です。床の上に置いた一組のトランプが勝手に、前後左右に動き、観客の選んだトランプだけをデックから突き出すというマジックです。じつはこれもジャリを使っているのですが、今から20数年前のことでもあり、現在ほど細い糸ではなかったのです。しかし、それでも実演中に気づかれたことは皆無です。床に置いて、すぐそばで観客がデックを取り囲んで立っている状態なのに、まったく誰もタネの存在に気が付きません。これをある講習会でやったとき種明かしをしました。「実は細い糸を使っています」と本当のことを言っているのに、観客はまだ信じなかったくらいです。ジャリに直接触れてもらってやっと信じてもらえました。

タネを知っていると、ジャリも見えていますので気になるのですが、現象からはジャリを連想しにくいのか、やっている私自身が驚いてしまうほど、観客はジャリに気が付きません。これは、「サムチップ」などでも同じことです。サムチップの存在を知っている者からすると、現象やマジシャンのハンドリングから容易にサムチップを連想し、マジシャンの「あの部分」を見てチェックするのですが、サムチップのような道具がこの世にあることを知らない一般の人は、「あの部分」に視線が行くことはありません。そのため、サムチップを使っていて、それがバレたということはないはずです。もし見つけられたのなら、たまたま観客がどこかで「サムチップ」を見たことがあり、それを使ったマジックを何かで読んだか誰かに見せてもらったからでしょう。普通は、よほどひどい見せ方をしない限り、サムチップがばれることはありません。

つまり、タネを知っていると気になることでも、その存在や原理を知らないと、そこに意識が行くことはないものです。

とにかく、このタイプのマジックで一番重要なのは自信です。「ジャリが見えることはない」という自信があれば見えません。ライトや服装で多少意識した方がよいこともありますが、よほどひどい状況でない限り、あまり神経質になることもありません。ただ服は、白一色のようなものより、少し柄が入っているもののほうがベターです。ライトも、光源の位置でジャリが光りやすいこともありますが、もし万一気づかれたところでどうってこともありません。「えっ?何か見えた?」と言ってしらばっくれてしまえば良いのです。私の経験では、窓から太陽の光が入ってくるような位置で、その光を正面に受けて演じると光ることがあります。

今までこのタイプのマジックをやったことがないと、どうにも不安で仕方がないと思いますが、ばれてもよいつもりで5,6回、実際にやってみると自信もついてきます。

魔法都市の住人 マジェイア

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