製品名 | Knife Through
Coat コートを貫通するナイフ |
価 格 | 12,000円 |
原案者 |
Mephisto Huis |
購入先 | 東京マジック |
分 類 | パーラー、ナイフ |
1998年11月26日
最初に "Stars of Magic"に、「ハンキー・パンキー」という名前のマジックがあります。ハンカチの下に火のついたタバコを入れ、ハンカチの上に10センチ角くらいの大きさに切った新聞紙を置きます。すると、下からタバコが、ハンカチと新聞紙を通り抜けて上に出てきます。紙を焼いて、下から出てくるのです。ハンカチにも当然穴が開いていると思うのに、ハンカチはまったく焼けていません。 「ナイフ・スルー・コート」は、同じような現象を観客の上着とナイフで行います。 現象 観客から上着を借ります。別の観客に出てきてもらい、上着を広げて持ってもらい ます。上で紹介した「ハンキー・パンキー」は、ハンカチを床に水平に広げますが、この場合は上着を床に対して45度くらいの角度で広げます。 この上着の背中辺りをナイフで突き刺すのですが、直接突き刺すと上着を貸してくれた客が驚いて心臓発作でも起こすと困るので、週刊誌程度の大きさに切った適当な紙、新聞紙でもよい)を服の上に置きます。術者は下からナイフを突き刺すと、上着と、前に置いた新聞紙 を突き破ってナイフが現れます。新聞紙を少しめくってみると、ナイフが上着の生地 を貫通しているのが見えます。 最後に新聞紙を戻し、ナイフを抜いてみると、客の上着には何も傷がありません。 コメント 「ハンキー・パンキー」というマジックは、よく知られている割りには誰かが演じているのを見たことはありません。多くの人が、自分でも一度実際にやってみたいと思いながら、まだやったことがないトリックでしょう。決して難しい手先のテクニックがいるわけでもないのに、これを難しくしている最大の理由は、一人では練習できないからだと思います。 この「ナイフ・スルー・コート」にも同じことが言えます。ただし、十分練習してから演じると、効果は抜群です。 私はこのマジックを今から14,5年前、Mr.マリックが演じているのを見ました。まだMr.マリックが、マジシャン以外にはまったく知られていなかった頃です。 1985年頃、関西方面だけで放映されていたテレビの深夜放送がありました。その番組にMr.マリックが出演していたのです。当時はサイキックエンタテイナーという呼び方も使わず、ごく普通のマジシャンとして出演していました。この番組に、月一度くらいの割りでMr.マリックが出ていました。同時に、大阪の某ホテルでメンタルマジック中心のディナーショーもやっていました。これが大変好評であったため、Mr.マリック自身、自分の方向性をこのようなタイプのマジックで通していくことに決めたのだと思います。実際、その後すぐにマリックブームがやってきました。テレビ番組、「木曜スペシャル」でMr.マリックの特集をやると、いっぺんにブレイクし、あっという間に日本中に知られるようになりました。 話を戻しましょう。
このとき、上着を持っていた女性は、自分が動かしたから、本当に穴があいたと思い 込み、あまりのショックに半べそをかいていました。この辺りの演技がMr.マリックはうまいのです。本当に困ったような顔をして、見ている観客も、失敗したと思ったようです。失敗というのは、ナイフが本当に上着を突き破ってしまったということです。(笑) 勿論、最後は上着には何の異常もないことを示し、観客に上着を返します。とにかく、これはむちゃくちゃウケていました。 最後に一言 このナイフは、何種類か発売されています。現象は同じですが、ナイフの構造や仕掛けが違います。まったく何の仕掛けもない普通のナイフで演じる方法もあります。これを東京マジックから購入したのは7,8年前ですから、まだ扱っているかどうか不明です。 また、上で紹介した写真に写っているナイフは東京マジックから購入したときのものではありません。あれは"Knife through Anything"という名前で比較的最近販売されたものです。ただ、これは会社名も原案者の名前もない、そうとう怪しい製品です。原理は東京マジックで扱っているものとは異なっています。 東京マジックのナイフは、柄の部分が白い木のままで、いかにも安っぽく見えるので、適当な色のニスを塗ると、上の写真と同じような雰囲気になります。
魔法都市の住人 マジェイア |