製品名 |
Guy Hollingworth
in the London Collection |
演 者 | Guy Hollingworth |
価 格 | $42.50 |
発行日 | 1996年 |
その他 | Stevens Magic Emporium で購入できます。 |
最初に
昨年(96年)の3月に、ガイ・ホリングワースは日本に来ました。そのとき、このビデオは制作中で、一ヶ月ほどして完成したビデオを送ってきてくれました。それが今回、世界的な販売ルートで売り出されました。 カードマジックの分野で、久しぶりに出た大型新人です。 アイディア、センス、テクニックのどれをとってもすばらしく、パーソナリティやキャラクターも落ち着いた好感のもてる青年です。 カードマジックだけのレクチャーというと、最近は3つも見たら眠くなるか、どうでもよくなってくるのに、彼のレクチャーではそのようなこともなく、最後まで楽しめました。 このビデオの中で演じているものも、どれもすばらしいものばかりです。 簡単ではありませんが、カードマジックが好きなら強くお薦めします。 彼は工業デザインを勉強している学生で、マジックはあくまで趣味の範囲でやっていきたいそうです。確かにカーディシャンで食べて行くのは大変ですから、趣味として、自由にマジックと取り組める環境で続けたほうが、彼のためにも、マジックファンのためにもよいと思います。 最近のビデオには珍しく、モノクロの画像です。古き良き時代のロンドンに人一倍こだわりがあるようで、夜のロンドン市内の街角で、ちょっと立ち止まりマジックを見せてくれます。 内容を紹介しましょう 7種類のオリジナルカードマジックを演じています。 レクチャーのときにも感じたことですが、このビデオを見て彼のマジック全体に流れているのは、ビジュアルということと、フェアーに見えるということです。 この程度で、一般の人は気がつかないだろうというような妥協がありません。ある現象を作り出すために、技法の難易度が上がっても、完璧にこなすことで達成しています。 1.Waving the Aces
お馴染み、ヴァーノンのTwisting Acesの驚嘆ヴァージョン。
参考 2.Waves of Water
「オイル&ウォーター」のバリエーション。
参考 3.Ambidextrous Interchange
4枚のエースを一枚ずつ、上着の内ポケットや外ポケット、スラックスのポケットなど、4つのポケットにバラバラに入れる。
参考技法 4. Selling Fridges 基本的な現象は、バラバラに置いた4枚のエースがひとつのパケットに集まるという、フォーエイセスアセンブリーである。それが3段からなっている。
参考5. L'Arc de Triomphe
立ったままで、テーブルなしでできるトライアンフ現象。
参考 6. The Easy Way Home
基本の現象はホーミングカード。 クレジットにもあるように、フレッド・カップスもこれをやっている。私はカップスの演技をビデオで見たことがあるので、さすがにこれは見劣りする。
技術的には完璧なのだが、捨てても捨てても、余分なカードがもどってくると言う表現が、カップスの場合、大変よくわかる。 ガイの場合、今回のビデオでは観客がいない状況で見せているので、そのあたりのやりとりがない分だけ損をしている。彼が実際にこれを観客の前でみせるときはどのような演技をしているのか見たい。
参考 7.New Material
4枚のエースをデックの中にバラバラに押し込む。このデックを上着の左ポケットに入れる。
ジャケットの左を広げて、観客に内側を見せる。ポケットのちょうど裏あたりに手を持って行き、生地を貫通させてエースを一枚ずつ抜き出す。
参考 最初に約19分間、現象だけを見せてくれます。その後1時間以上かけて解説しています。 最後に一言 ビデオの箱に、「ここで解説されているマジックの多くは技術とかなりの練習を必要とします」と明記されています。 実際、どれも簡単ではありません。しかし、無茶な技法やできない技法は使っていません。
彼のセンスは本物です。改案がちゃんと改案になっています。世の中には改案と称する改悪が反乱していますが、これはそのようなことはありません。彼のセンスで作り替えられたものは、テクニカルな面ではオリジナルよりも難しくなっていても、現象面ではすっきりとしており、実際に彼がやれば、マニアが見ても、とても不思議に見えます。
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