製品名 | ぼくらの超魔術入門 |
著 者 | Mr.マリック |
出版社 | 成美堂出版 |
価 格 | 757円(税別) |
発行日 | 1995年 |
分類 | 超魔術 |
1997年7月11日
最初に Mr.マリックが、お昼のTV番組、「笑っていいとも」でやっていたものや、昔からある即席マジックを解説しています。
Mr.マリックの演技をみると、マジックというのはタネではなく、見せ方しだいで、つまらなくも、面白くもなるものだということがよくわかると思います。 内容を紹介しましょう ここで解説されているものは、特殊なタネは必要ではありません。身の回りにある日用品を使って、すぐに演じられるものばかりです。 このような即席でできるちょっとしたトリックを数多く知っていると重宝しますよ。 この本を買ってみようと思っておられる方に、ひとつアドバイスがあります。これはMr.マリックもこの本の前書きで言っていることですが、タネの部分を先に読まないで、まず現象を説明してあるところを読んでください。 または実演しているところの写真がありますから、それを見て、どうやればこんなことができるのだろうと、イマジネーションを働かせてみてください。それであなたが不思議だと思ったら、解説の部分を読んでください。 タネを知ったら、あまりの簡単さに驚くでしょう。 でも、裏から見て簡単だということと、タネを知らないで、表から見ている観客では、全然見え方が違います。そこのところをよく理解してください。 マジックは現象がすべてです。タネはある現象を作り出すための手段にすぎません。裏から見て、いくら単純であっても、表からは信じられないように見えるのが超魔術に限らず、どのようなマジックにも言えることです。 しっかり練習して、自信をもって見せられるようになったら、誰かに見せてあげてください。 ここに解説されているものは、それほど深刻なものはありません。もし失敗したら、笑い飛ばせることも大切です。深刻になることはありません。それはそれで、その場が盛り上がるでしょう。 でもいつも失敗ばかりしていてはそのうち誰も見てくれなくなりますから、実際にやる前には十分練習してから見せるようにしてください。 最後に一言 この本は、演出や見せ方をしっかり解説してあります。 あまりよくない入門書にしばしば見られるような、タネだけを解説しておしまいということはありません。 Mr.マリックほど、今の日本で、演出面に気を配っている人はいません。他のマジシャンと、Mr.マリックの違いの最大はここにあります。 はっきり言えば、Mr.マリックがTVで演じているようなものは、プロマジシャン、またはアマチュアでもマニアと言われるレベルの人であれば、大半は実演可能です。同じような現象を起こすことはできます。 しかし、誰もMr.マリックの代わりにはなれません。これは「箴言集」に紹介した、オランダの天才マジシャン、フレッド・カップスの言葉を読んでいただきたいのですが、結局、トリックはコピーできても、Mr.マリックそのものをそっくりコピーすることは誰にもできないからです。 10年ほど前のマリックブームのとき、数多くの「超魔術師」が出てきました。しかしMr.マリック以外、誰も残っていません。しょせん、コピーはコピーです。 この本に解説されている「超魔術」は、実際のところ、「超魔術」とよべるようなレベルのものではありません。大半はMr.マリックが子供の頃覚えてやっていたものを、今の力で演出を付け加えたものです。 どんなささやかなトリックでも、演出しだいで、それが1級のエンターテインメントになるよい見本だと思い、あえて紹介しました。 この本を読む方は、その点をよく理解した上でお読みください。決して、タネだけを知ってポイと捨てるようなことはしないでください。
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