製品名 | Matchbox
Penetration マッチボックス・ペネトレーション |
購入先 |
Hank Lee's Magic Factory |
価 格 | $45.00 |
分 類 | クロースアップ、マッチ |
最初に マッチを使ったマジックとしてはちょっと変わったものです。見せ方によっては、マジックというよりもパズルのような雰囲気になるかも知れません。 現象 マッチ箱をひとつと、糸の通った針を取り出します。マッチ箱の中央に針を突き刺すと、針は箱を貫通して反対側に出てきます。そのまま引っ張ると糸がついていますから、針と糸が完全に箱に通っていることがはっきりわかります。 ここまでは別に不思議でも何でもありません。しかし、この後、あやしげな動作は一切なしで、針と糸を箱から抜き取ったら、観客に手を出してもらい、マッチ箱を観客の手のひらに乗せると、観客は驚きます。マッチ箱が異様に重いのです。普通のマッチ箱の100倍くらいの重さがあるかも知れません。 観客に箱を開けてもらい、中を見てもらうと、マッチ箱の中には真鍮(しんちゅう)のかたまりが中箱一杯に詰まっています。また、真鍮にはどこにも穴が開いていません。このような真鍮のかたまりが詰まっていたのに、どうして針がマッチ箱を貫通したのでしょう。 コメント 1995年にスペインから売り出され、世界的にヒットした商品です。今までにない現象であったため、随分売れましたが、実際にはあまりやる気はしないマジックです。購入しても、家族のものや友人に2、3回見せたら、後は引き出しに入れて、それでおしまいということになるでしょう。9割以上のネタはそのような運命をたどりますから、そのことは別段どうってこともないのですが、もうちょっと使い道はないかと思っていました。 それで古くからある心理テストのようなもので、マッチ箱を三つ使うものがありますので、それと組み合わせて見ました。すると、予想外に好評なのです。ざっと現象を説明しておきます。 同じ大きさの3個のマッチ箱を重ねたまま観客に持ってもらい、重さを覚えてもらいます。それをテーブルの上に戻してから、観客に催眠術をかけ、三つ重なったマッチ箱のうち、一番上の箱だけをもう一度持ち上げてもらいます。すると、1個しか持っていないのに、先ほど3個持ち上げたときよりもこの1個のほうが重く感じます。 これは心理的な思いこみと、錯覚を利用しただけのものです。タネというほどのこともありませんが、準備としては1個のマッチ箱からマッチ棒は出してしまって、10円玉を10枚から12枚ほど入れておきます。他のマッチ箱は空でも、マッチ棒が入っていてもかまいません。この三つの箱を重ねるとき、10円玉の入った箱が一番上になるように重ねて、観客に三つとも重ねたまま持ち上げてもらいます。いったん降ろした後、催眠術をかけるふりをしてから、今度は一番上の箱だけを持ち上げてもらいます。「先ほどと今回ではどちらが重い?」とたずねると、たいていの人はこの1個のほうが、先ほど3個持ち上げたときより重いと言います。奇妙でしょう? これを導入にしておいてから、先の「マッチボックス・ペネトレーション」を行うと、さすがにこれは驚いてくれました。特に心理的な思いこみで重さの感覚が変わることを見せた後なので、真鍮のかたまりの入ったマッチ箱を持ったときは、あまりの重さにびっくりします。かたまりが出てからは、何でこんなものが入っていたのに糸が通ったのか、そちらのほうに関心は行ってしまいますが、それでも最初に軽いパズルのような現象を見せておいたほうが効果はあると思います。 道具はすり替えなしで、全部観客にあらためさせることができるため、マッチのマジックにしては随分高い値段になっています。現在でもハンクリー他、多くのマジックショップで扱っているはずです。 追加:何度か上記の組み合わせでやってみると、想像していた以上にどちらも不思議がってくれました。持っている方は、ぜひ一度おためし下さい。
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