製品名 | メリケンハット&ビデオ |
購入先 | 福正堂及びアイビデオ |
価 格 | メリケンハット12,000円、ビデオは8,000円程度 |
分 類 | ステージ、パーラー、プロダクション |
シルクのスカーフから鳩が何羽も出てきたり、トランプが手の中から次々と出てくると言ったような「プロダクションもの」は、いかにもマジックらしいマジックでしょう。 鳩を出すためには普段の世話が大変です。ミリオンカードは演じる場所が限られます。手っ取り早く、ある程度の品物をだすのであれば「メリケンハット」は便利です。 現象 写真のような帽子を使います。中が空であることをよく見せた後、ボールやくす玉、タバコの箱などを出現させます。途中、客席に帽子を投げて調べてもらってからでも、色々なものを取り出します。最後は、紙テープを滝のように出して終わります。
コメント 大学やアマチュアのマジッククラブの発表会ではよく演じられる「メリケンハット」ですが、外国ではほとんど演じられることのないマジックです。不思議なことに、これを解説した文献は日本でも海外でも見あたりません。 明治時代から演じられているようですので、徐々にネタの補給方法、帽子のあらためなどが開発されたのかもしれません。 資料として文献は残っていないので、私もメリケンハットの正確なやり方は知らなかったのです。いつか誰かに教えてもらいたいと思いながら、その機会がなかったのですが、メリケンハットの第一人者として有名な金沢在住のプリンス東陽氏がアイビデオからレクチャービデオを出しておられるのを知りました。 『プリンス東陽のメリケンハット』です。 ビデオの中で、帽子の改めからネタのスティール、補給の仕方などを懇切丁寧に解説してくださっています。高木重朗先生が横で適切なアドバイスをなさっていますから、ポイントもよくわかります。 ビデオを購入して、原理がわかったら練習したくなりました。ところが、メリケンハット用の帽子を入手しようしたらどこにも売っていないのです。プリンス東陽氏に直接お願いしたら手に入るだろうと思ったのですが、やはり手元にはないということでした。うかがったところでは、戦前くらいまで、男の人がよくかぶっていた「中折れ帽」というのがよいそうです。それを中古品でも見つけたら、洗濯機にぬるま湯を入れて、軽く数分間回して、型を崩してしまって、使用するそうです。新品の「中折れ帽」を買ってきて洗濯機で潰してということをやってもよいのですが、少し面倒です。 ひょっとしたらどこかのマジックショップにあるかもしれないと思い、2,3当たってみると、群馬にある「福正堂」にあることがわかりました。12,000円です。 この帽子はそのままで「メリケンハット」に使えるようになっています。色は黒や茶色、えんじ、などがあったはずです。私が購入したのは黒です。 あと、メリケンハットから何かを取り出す必要がありますので、取り出し用のネタも必要です。一般的にはくす玉、バネまり、タバコ、テープなどですが、スポンジボール、シルク、キャンディやチョコレート、ネックレスなどを出してもよいでしょう。 子供が集まっているような場所で演じる場合、最後にキャンディやチョコレートを出して終わると盛り上がります。メリケンハットまで購入するのが面倒な方は、即席にキャンディなどを出すのに便利なものがあります。「シャワーオブスィート」というマジックです。ハンカチを取り出し、軽く折りたたんで振ると、キャンディがバラバラと出てきます。これは東京堂出版から出ています松田道弘氏の『シルクマジック入門』に解説されていますので、興味のある方はご覧ください。
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