書名 | 即席マジック入門事典 |
編著 | 麦谷眞里 |
出版社 | 東京堂出版 |
価 格 | 2,500円(税別) |
発行日 | 1997年 |
分類 | 即席マジック |
1999年4月19日
最初に この本のタイトルは「即席マジック入門事典」となっています。「即席マジック」という言葉から、一般の人はどのようなマジックを想像するのでしょう。「即席ラーメン」から連想して、「3分くらい練習したらできるようになるマジック」でしょうか。 残念ながら、マジックの世界では「即席マジック」という言葉はそのような意味では使いません。「即席マジック」というのは、「日用品を使ったマジック」、「身の回りにある品物を使ったマジック」という意味です。 難易度とはまったく関係ないのです。この本で紹介されていますマジックも、比較的簡単にマスターできるものから、相当練習がいるものまで様々です。 扱っている品物は、名刺、付箋紙、クリップ、お札、輪ゴム、ヘアバンド、時計、メモ帳、マッチ、タバコ、ハンカチ、本、新聞など、簡単に見つかるものばかりです。
内容を紹介しましょう この本のすぐれている点は、ただ単に種明かしをしているだけではなく、演出に関して、しっかり記述してあることです。それと「バックアップ」という欄が設けられています。初心者がよくやる間違い、ミスなどを指摘してくれていますので、今までマジックをあまりやったことのない人にとっては大変貴重なアドバイスになります。 「即席マジック」に限ったことではありませんが、マジックというのは、実際の現象を見ずに、先に本などで解説を読んでしまうと、こんなものがおもしろいとは思えないことがよくあります。特に、日用品を使ったマジックは、見た目のシンプルさから、このようことをやって見せても、観客は驚かないだろうと思いがちです。しかし、実際はそんなことはありません。ぜひ一度実際にやってみてください。充分練習して、演出にも気を配って演じてみると、マジシャンのほうが驚くくらい、観客は驚いてくれます。 この本に載っているマジックを2,3点マスターしておくだけで、何かのときにも役に立つでしょう。また、トランプやコインなどと違い、どこにでもある品物ですから、喫茶店やレストランで見せるても違和感がありません。周囲の人の視線もほとんで気になりません。 最後に一言 このようなタイプの本を読むとき、 ざっと目を通しておもしろそうなものから練習してもよいのですが、もしあなたが今まであまりマジックをやっていないのでしたら、最初から順番にマスターして行くことをおすすめします。 どうしてもこれはやりたくないと思うマジックはカットしても構いませんが、読んだだけで、こんなのは詰まらないと思い、捨ててしまうと、傑作を見落とすことになります。自分ではそれほどおもしろいとは思えなくても、とにかく一度やってみることです。マジックは実際にやってみると、裏でやっている難しさと、観客がどれほど驚くかはほとんど関係がないことに気がつくでしょう。
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