製品名 | ザ・ネイル |
価 格 | 4,800円 |
購入先 | UGM |
分 類 | メンタル、メタルベンディング、釘 |
1999年10月30日
最初に スプーンや釘、鍵などの金属を曲げるマジックを総称して、「メタル・ベンディング」と呼んでいます。そのようなもののひとつで、今回、新しい原理のものが発売されました。 現象 長さが10センチほどの釘があります。観客にちょっと触ってもらい、固い釘であることを確認してもらいます。上の写真にあったものです。それと黒いゴムのチューブがあります。釘をゴムの管に通してから、軽く曲げると、右の写真のように曲がります。またまっすぐにしてから管から抜くと、釘もまっすぐになっています。 コメント 今回のネタは、今までになかった原理のメタル・ベンディングです。原案は海外のもののようですが、それをUGMが販売しています。Mr.マリックも今月の初め、テレビの特番で釘を切断するマジックをやっていました。おそらくこれを使っていたのでしょう。そのときは釘を中央から切断して、切断した釘はそのまま「捨てかご」に捨てていました。切断後のあらためを省略するのなら、切断することも可能です。 Mr.マリックはこれをオープンニングに使い、切断した後、すぐ別のマジックに移っていました。切断後の改めはありません。切断する前に板に釘を打ちつけ、固い釘であることを確認し、観客にも釘に触ってもらい、間違いなく固いことを確かめてもらっていました。 釘を指先に持って、軽く触っていると、釘が突然曲がり、そのまま二つに切断されてしまいました。Mr.マリックのハンドリングではゴムチューブは使っていません。さすがにうまいものです。 最後に一言 この「ザ・ネイル」に限りませんが、スプーン曲げの類は、ミスディレクションと、観客とマジシャンの「間合い」がすべてです。スプーンを曲げるだけでも何十と方法があります。そのうちのどれを使うかは、観客のレベルで決まってきます。自然なあらため、ミスディレクションなども必要です。個々の曲げ方は難しくないのですが、この観客であればどの方法を使うのが一番よいか、つまり、「間合い」、それを見極めるのが「超能力者」の技量です。この部分は相当な経験が必要です。スプーン曲げの難しさは、この一点に集約されます。こればかりは場数を踏んで、実際にやってみることでしか会得できません。 「ザ・ネイル」も、この道具を使って曲げること自体は難しくありません。しかし、平均的なレベルのマジシャンであれば、まずこれは実演できないでしょう。曲げるところは簡単ですが、その後の処理ができません。一番簡単で賢明な方法は、Mr.マリックがやったように、切断したあと、または曲げたあと、どこかに捨ててしまって、すぐに別のマジックに移ることです。しかし、これはテレビのオープニングだからできたことです。普通は、曲げたあと、その釘を観客に見せないと説得力はありません。 とにかく、マジシャンが観客をコントロールするだけの技量があれば難しくないのですが、実際にはそれができるのでしたら、上級レベルです。初心者、中級レベルの人がやっても、すぐにばれるでしょう。観客に、「どうせ仕掛けのある釘だろう」と思われて、それでおしまいです。 この種のマジックはあまり紹介したくないのですが、世の中にはインチキ超能力者が現実にいます。このネタなど、「超能力者」が喜んでレパートリーにしそうなネタですから、あえてここで紹介しておきます。知っていたら、これを「本物の超能力」と思うこともないでしょう。 魔法都市の住人 マジェイア |