最初に

1994年に売り出されたギミックです。コインのような小さなものを消すのに適しています。

つい最近(1999年7月）放送されたテレビ番組で、Mr.マリックが観客の手の上に置いた500円玉を消すのに使っていました。その数日後、別の番組でMr.Colorもキャンディを消すのに使っていたからでしょうか、問い合わせのメールが数通来ました。以前から紹介しようと思っていたギミックですので、この機会にしておきます。

現象

コイン程度の大きさのものを消すのに適しています。たとえばコインを左の手のひらの上に置いて、右手で上から軽く撫でるだけでコインが消えています。ただちに両手の裏表を完全にあらためることが出来ます。

コイン以外にも、お札を折り畳んだものを消したり、タバコを消したりすることもできます。また、消すだけでなく、コインを別のコインに変化させることもできます。

コメント

この道具の特徴は、上着を着ていなくて、しかも半袖でもできるところでしょう。上着はあったほうが何かにつけて好都合ですが、半袖のシャツでも、コインを消すだけなら問題なく出来ます。

これは発売されて５年くらい経つ割には、日本でこれを使っている人はほとんどいません。いくつかの理由があるのですが、それを言うと、タネに関係して来ることになり、どうも言いにくいのです。たとえば、日本のコインをそのまま消すことは出来ません。Mr.マリックがやっていたように、500円玉を消すためにはちょっとした細工が必要です。しかし、この細工は簡単に出来ます。Mr.マリックが使ってたのは観客に渡してもわからないようになっていますが、消すためだけなら、東急ハンズのようなところで材料を買ってきて細工をすれば、すぐに作れます。

この消失用ギミックは、現在のところ、マジシャンの理想に近いかも知れません。観客の手のひらに置いた500円玉が、軽く手をかざすだけで消えてしまうのですから、これ以上はちょっと望めないでしょう。

補足

原案者によるビデオも発売されています。"Raven"というタイトルで、出ていますので一緒にこれを買うことを薦めます。添付されている解説書を読んだだけではとてもやってみたいとは思わないのですが、タネを知る前にこのビデオを見ると、いったいどういう原理でコインなどが消えたり変化しているのかわからないほど鮮やかです。

アメリカの大手のマジックショップなら大抵ありますから、在庫確認のメールを出すときにでも、値段を尋ねてください。少し値上がりしている可能性があります。

魔法都市の住人　マジェイア