製品情報

Rice Bowls

 

ライス・ボール

 

製品名

Rice Bowls

ライス・ボール(茶碗)

価 格 8,000円
販売元

テンヨー

分 類 パーラー、ボール、茶碗

2000年12月3日


最初に

火と水は、昔からこの世を作っている二大要素と考えられていました。人類が火や水を比較的自由にコントロールできるようになったのはつい最近のことです。

マジックの場面でも火や水はよく使われます。マジシャンがカードやコインを出現させただけでも観客は驚きますが、水や燃え盛っている火が出現すると、ひときわ驚きます。これは誰でも日常的に、火や水をこっそり隠しておくことなど簡単にできないことを知っているからでしょう。

「ライス・ボール」では、最初米を扱いますが、最後は空(から)の茶碗から水が出現します。これは中国を起源とするマジックで、古くから知られていましたが、準備が面倒なこともあり、簡単にはできなかったのです。おまけに失敗するとひどい結末を迎えることになります。それを今から6、70年前、アメリカ人のマジシャン、アル・ベーカーが改良し、売り出したのが現在販売されているタイプのものです。

現象

マジシャンは空のご飯茶碗を二つ取り出し、両方とも空であることを観客によく示します。

米を箱から取りだし、茶碗のひとつに入れます。すり切り一杯になるようにします。もうひとつの茶碗を上からかぶせ、二つを重ねたまま手に持ち、上下に軽く振ります。上の茶碗を取り除くと、米が2倍の量になっており、あふれてこぼれ落ちます。すり切り一杯しか入れなかったのに、山のように増えています。

もう一度すり切り一杯になるようにしてからもうひとつの茶碗でふたをして、軽く振ります。上の茶碗を取り除くと、今度は中にあった米は全部なくなっています。

最後、空の茶碗をふたつ重ねてから振って、上の茶碗を取り除くと、下の茶碗には酒、または水が一杯になっています。

コメント

日本でも昔からライス・ボールの原形になるものは知られていましたが、マジシャンと客席がある程度離れている必要がありました。この改良型のものでは、比較的近くでも演じることが可能です。

これが日本で知られるようになったのは、1970年にチャーリー・ミラーがテンヨーの招きで来日してからです。オリジナルのライス・ボールを知っていても、このミラーが行ったものをはじめて見た人は、ほとんど全員が驚いたそうです。レクチャーに出席していた人はマニアばかりです。それでもみんなわからなかったのですから、いかによくできているかわかると思います。

これは道具自体の扱いが易いことに加え、無造作に扱っているので観客もまったく怪しまないのです。これをレパートリーに入れたい方は、ぜひチャーリー・ミラーのビデオをご覧になることをお勧めします。

ビデオ:"Charlie Miller"(Stevens, 1986, Vol.18)

チャーリー・ミラーが実際に演じるときは米ではなく、雪のように見える、白いふわふわした合成樹脂でできた素材のものを使っています。梱包用の素材か、デコレーションに使うものかもしれません。発泡スチロールの小さいボール状になったものを使ってもよいでしょう。

ビデオを見ると技術的には全然むずかしくないことがわかりますが、解説書を読むと、最後の水になる部分がむずかしく思えるかも知れません。その部分だけでも、ディーラーの人から教えてもらったらどうでしょう。

補足:私がこのライス・ボールを購入したのはテンヨーが売り出した直後ですから、おそらく30年近く前です。一部消耗品がありますが、その部分は使う頻度によって耐久性に差があります。私の場合、10年くらいは問題なく使えました。もしその部分が古くなって使えなくなったら、テンヨーに頼めば、消耗品の部分だけを安く販売してもらえます。

 


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