製品情報

たまごになるハンカチ

 

目玉焼き

1999年2月9日


最初に

古くからある、ハンカチが「たまご」になるマジックです。と言っても、上の写真のような「目玉焼き」になるわけではありません。(笑) 殻につつまれた生卵になります。

これ専用のタネは今でも大抵のマジックショップで販売されています。ちょっとしたパーティやクロース・アップでもできますので、このようなものをひとつマスターしておくと、重宝します。上手に演じると、大変効果的なマジックです。

現象

マジシャンは右手に、赤いシルクのハンカチを持っています。

左手が空であることを示した後、拳を作り、そこに赤いハンカチを入れて行きます。全部入れたら右手を開き、何も隠していないことを示し、左手をゆっくりと開くと、ハンカチが「たまご」に変化しています。

マジックの世界では「種明かしは厳禁」なのですが、今日は大サービスで、これの種明かしをします。

たまごになるハンカチ実は、たまごに見えていたのは本物ではなく、右の写真のようにプラスチックでできた模造品です。おまけに穴が開いていて、そこにハンカチが入っています。

このタネを使って、観客にやり方を詳しく説明します。先ほどと同じようにハンカチをたまごに変えるのですが、今度は左手から出てきたたまごをグラスにぶつけると、二つに割れて、中から本物の黄身や白身がでてきます。間違いなく、本物のたまごになってしまいました。

 

コメント

前半の部分で使うプラスチックのたまごは、シルクのハンカチとセットになって、デパートのマジックコーナーなどで販売されています。(700円程度)

後半の、本物のたまごになる部分は、添付の解説書には書いてありません。これは「サカートリック」という演出になっています。つまり、観客にタネがわかったと思わせておいて、もう一度、観客をひっかけるタイプのマジックです。二段落ちになっています。

このマジックは、種明かしをしなければ、前半だけでも十分不思議に見えます。何ならここで終わってもよいくらいです。しかし、一度種明かしをすることで、観客は「なーんだ」と思い、油断します。そこで最後に本物のたまごにして、どんでん返しを食らわせると、観客の驚きは普通に見せるより、一層大きくなります。

私がこのマジックを見たのは小学生の頃です。テレビで、マーク・ウィルソンというアメリカのプロマジシャンがやっていたのを見たのが、はじめての経験だと思います。それまでにも、前半の部分のタネは持っていましたから、どうってこともなく見ていたのに、最後に殻を割って、本物のたまごになったのを見せられたときは驚きました。子供心にも、さすがにプロはすごいと思いました。

もしあなたがこの二段目までやりたいのでしたら、松田さんの本、『シルクマジック』(松田道弘著 東京堂出版)に解説されていますのでお読みください。「シルクとタマゴのサカー・トリック」というタイトルで紹介されています。この本には、数十の鮮やかなマジックが解説されています。パーティや宴会などに使えるネタが満載ですので、もっておいて絶対損はありません。

また、アメリカのヴァーネットというメーカーが、すり替えなしで本物のたまごのように二つに割れて、黄身が出てくるネタを販売しています。テンヨーがつい最近(1999年1月)、これを扱うようになりました。1,500円と安いので買っておいてもよいのですが、上で紹介したサカー・トリックの手順をやるのでしたら、これを使うより、昔からある「たまごになるハンカチ」と、本物のたまごを使って演じたほうがずっと不思議に見えます。

このマジックの一番の見せ所は、最後に本物のたまごになるところですから、その部分がヴァーネットのネタでは中途半端にしか見せられません。本物を使っていれば、たまごをグラスに割るときや、その後の見せ方も、全然気を使うところがなく、観客に対して公明正大に見せることが出来ます。そのため、プロでこれをレパートリーに入れているマジシャンは、みんな本物のたまごを使っています。

 

魔法都市の住人 マジェイア


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