製品情報

 

製品名 スーパーシェーカー
価 格 12,000円

販売元

テンヨー
分 類 チョップカップ、シェーカー

 

2000年1月10日


最初に

シェーカーでできた「チョップ・カップ」です。現象は一般的なチョップ・カップと同じですが、カクテルを作るときに使うシェーカーに、ちょっとした仕掛けが組み込まれています。

バー・マジシャンなどがカウンターで見せるにはピッタリの道具でしょう。

現象

シェーカーの蓋をはずして、下半分のカップ部と、直径が1.5センチくらいの白いボールを1個使います。観客にカップとボールを手渡して調べてもらいます。

それと、透明なグラスもひとつ用意します。大きさは、カップの中にすっぽりと入れば適当なもので構いません。

チョップ・カップを使ったルーティンをすでに知っているのでしたら、それをおこなっても構いません。添付されている解説書にあったものは大変あっさりしたものです。チョップ・カップで、ゴテゴテした長いルーティンはよくありませんので、あれくらいで十分です。

以下の手順では、蓋は使いません。シェーカーとなっていますが、実際に使っているのは、カップ部分だけですので、そのつもりで読んでください。

1.ボールをシェーカーの中に入れ、口を手でふさいで上下に振ります。手でボールを受け取り、空のシェーカーを伏せて、テーブルの上に置きます。ボールはいったんポケットの中に入れます。シェーカーを持ち上げると、ボールはいつの間にか、シェーカーの下に戻っています。

2.透明なグラスの口を上にして、その上に空のシェーカーをかぶせます。ボールはポケットにしまいます。シェーカーを持ち上げると、グラスの中にボールが入っています。

3.どうやったのか観客に説明するという演出で、もう一度ボールをポケットにしまい、シェーカーを持ち上げると、突然、シェーカーの下から本物のレモン、あるいはオレンジやライムなどが1個現れます。

4.出てきたレモンをシェーカーにもどし、蓋をして、カクテルを作るときのようにシェーカーを振ってからキャップを取ると、中から本物のカクテル、またはジュースが出てきます。

コメント1

随分洒落ていると思いませんか?今までのチョップ・カップ、これはドン・アランが使っているタイプのものが一番普及していると思いますが、あのカップも、おおよそマジック以外では見ることのないしろものです。不自然と言えば不自然です。その点シェーカーを使ったのは大変自然だと思うのですが、これも状況次第です。

バーテンダーがカウンター越しに見せるのであれば、確かにこれはピッタリです。グラスも、出現するライムも違和感がありません。しかし、普通の人が、どこかでマジックを見せるのに、いきなりシェーカーを出してきても、状況にマッチするとは思えません。かえって不自然に見えることもあると思います。

アルコールが出ている場でやるのであればそれほど不自然ではありませんが、アルコールが全然そぐわないような場にシェーカーを持ちだしても怪しまれます。そのあたりをどうクリアーするか考えておいたほうがよいでしょう。

マニアの人であれば、最後に、本物のカクテルやジュースが出てくる部分に魅力を感じると思います。ところが、この部分は実際にやってみると、観客はあまり驚きません。なぜ驚かないかは、実際にやってみるとわかります。(汗)早い話、その部分は簡単にタネが推測されるのです。マジックを見たことのない一般の人でも、その部分だけは8割から9割の人がわかります。それまでのボールの出現やレモンの出現には大変驚いているだけに、ジュースが出てくる部分でタネがわかると、全体がわかってしまったような気になるかも知れません。

マニア用アドバイス

実は、このシェーカーは4,5日前に購入しました。家人にやってみせると、ジュースが出てくる部分だけは予想どおり簡単にバレてしまいました。それでなお一層、この部分だけは使い物にならないと思ったのです。もしどうしても最後にカクテルかジュースを出したいのであれば、このシェーカーと同じ大きさのシェーカーをもう一組用意していると、いくつかの手段が考えられます。デパートなどにも普通のシェーカーは売っていますから、簡単に入手できます。

あまり詳しく書くと、種明かしになるので書きにくいのですが、私が実際にやったときの方法を紹介します。準備として、このシェーカーと同じ大きさで、何の仕掛けもない普通のシェーカーをもう一つ用意します。そこにカクテルかジュースを入れて、蓋もしておきます。それをテーブルの後ろで、マジシャンのすぐ横に置いておきます。勿論、観客からは見えない位置です。もしテーブルの後ろで立って演じるのでしたら、椅子を横に置いて、その椅子の座るところにおいておきます。ちょっと腰をかがめて、手を伸ばせば簡単に取れる位置です。シェーカーは底が小さく、立てるには不安定ですから、椅子の上に何か固い板のようなものか、適当な箱でもあれば箱を使ってもよいでしょう。私は少し大きめの鞄の口を開けて、中に入れておきました。

実際の手順ですが、ライムなどが出たところで、もうこのマジックは終わったという雰囲気でいったんシェーカーに蓋をします。片づけるため、シェーカーをテーブルの陰に下げたとき、前もって本物のカクテルなりジュースを入れたシェーカーとすり替えます。ミスディレクションとしては、とにかくもう終わったという雰囲気を出すことが大切です。左手に持っているシェーカーを下げたとき、右手はテーブルの上のレモンをつかみに行きます。このとき、テーブルの下で本物のシェーカーをつかみます。レモンも片づける振りで、テーブルの端あたりまで持ってきたとき、思い出したように、もう一度レモンを観客に示します。このとき、左手でつかんでいる本物のシェーカーを持ち上げて、テーブルの隅のほうに置いておきます。シェーカーには一切注意を払わないことが大切です。

このあたりは、相当大胆にやっても大丈夫なのですが、初心者の人には、こんなことで観客を引っかけられるはずがないと思うでしょう。でも、実際には大丈夫なのです。「ラウンド・テーブル」に書いた、「さりげなく」も参照してください。

この後は、もしあなたが「トピット」が使えて、レモンをビジュアルに消すことができるのでしたら、トピットを使うことをおすすめします。これを使うとレモンを手のひらに乗せて、両手でたたく動作で本物のレモンが目の前で消えてしまいます。昔、フレッド・カップスに、今まで飲んでいたビールのグラスを消されときは驚きました。レモンを消すことくらい少し練習したら可能です。

もしこれがどうしても無理なら、「チェンジング・バッグ」を使うものひとつの手段でしょう。これなら誰でもできます。

でも、本当はトピットもチェンジング・バッグも使わなくてもできます。私が実際にやったときの方法を紹介します。

今、すり替えたシェーカーがテーブルの隅にあり、右手に本物のレモンを持っているところです。レモンもしまいかけて、何かを思い出したように、もう一度、レモンを観客に示します。

「このレモンをポケットに入れます」と言って、本当に上着のポケットに入れます。手を出してきて、「レモンはポケットの中だと思いますか、それともシェーカーの中だと思いますか?」という質問を観客にしてみます。

ポケットはふくらんでいますから、観客もポケットの中だと言うでしょうが、そのときは、堂々とポケットからレモンを取り出して来て、一度レモンを見せます。

「でも、シェーカーにも入っているのですよ」と言って、手に持っているレモンはテーブルの上に置いてから、シェーカーを軽く振ります。中のレモンの音を聞かせるようなそぶりで2,3回、軽く振ってみせます。

「音がおかしいですね」と言いながら、キャップを取り、グラスにシェーカーからそそぐと、本物のカクテルやジュースが出てきますから観客は驚きます。

実際に中から本物のカクテルやジュースを出せば、数人分は取り出せます。シェーカーからカクテルなどが出てきたことに観客は驚きますから、レモンが残っていても構いません。

全部、グラスに注ぎ終わったら、シェーカーはそのままテーブルの上に置いておきます。すると、必ずだれかが、蓋のあたりがあやしいと思い、シェーカーを手にとって調べるはずです。しかし、これは何の仕掛けもない本物のシェーカーですから、調べられても全然問題はありません。

最後にすり替えるシェーカーは、ピッタリ同じ大きさであるに越したことはありませんが、見た目で同じくらいなら問題はありません。

コメント2

昨日(1月9日)、今年成人式を迎える若い子が数名集まっているところへ呼ばれていました。マジックを見せるためではありませんが、私がマジックをやっているのを知っている子も多いので、マジックを見せるには好都合です。

2次会でホテルのバーに行くこともわかっていましたので、これを持って行きました。と言うより、この集まり呼ばれていたから、このシェーカーが欲しくなったのです。しかし、数日前に購入してみると、最後の部分は、絶対タネが簡単にわかり、逆にみんなを白けさせることもわかりましたので、当初、そこはカットするつもりでした。レモンかライムでも出たところで終わりにしようと思っていたのです。でも、実際にカクテルも出したかったのです。バーには当然本物のシェーカーもありますから、バーテンダーの人にこっそり頼み、中にはオレンジを使ったカクテルを作ってもらい、入れておきました。それでやったのが、上の方法です。

今は、缶入りのカクテルも販売されていますから、適当な色のものを入れておけば簡単に準備できます。

補足:このチョップカップは、ドン・アランがよくやっているような、上下に振って音をさせる動作をしようとすると、ネタが強力すぎて、相当強く振らないと音がしません。もう少し弱くしないと使いにくい点も指摘しておきます。すでにチョップカップを持っている人は新たに購入することもないと思いますが、もし、チョップカップを持っていないのでしたら、買っても損はないでしょう。

魔法都市の住人 マジェイア


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