製品情報

 
製品名 Symphony of the Rings
原案者

ダイ・ヴァーノン

発売元 テンヨー
価 格 18,000円
分 類 リンキングリング



1998年8月4日


最初に

テンヨーから6本組の「リンキング・リング」(Linking Rings)が発売されました。アルミのバイプでできており、直径が26センチくらいある大型のものです。中空ですので、大きく太い割には、持った感じは大変軽く扱いやすいリングです。

6本リングのセットはこれまでも販売されていましたが、K-1,S-3,D-1というのが一般的なものです。今回の「シンフォニータイプ」はK-1,S-2,T-1になっています。これはダイ・ヴァーノンのオリジナルルーティン、"Symphony of the Rings"を行うためのものです。2,3年前、L&Lから解説書が復刻されましたので、現在入手可能です。

最近マジックを始められた人ですと、「シンフォニー」を知らない方も大勢いらっしゃると思いますので、ヴァーノン自身がやっているルーティンを簡単に再現しましょう。

現象

1.6本のリングがすべてバラバラであることを示しながら数える。

2.リングを2本両手に持ち、軽く擦りあわせていると2本のリングがつながる。それをまたはずす。

3.リングがバラバラであること示しながら、3本のリングを右手でとり、3本まとめて軽く投げあげると、3本がつながってしまう。このつながったリングを観客に手渡して調べてもらう。

4.マジシャンは残っている3本もつないでしまう。

5.観客もマジシャンも、3本つながったままのリングを束ねて両手で持ち、左右に引くとマジシャンのリングは全部はずれるが、観客のリングははずれない。

6.マジシャンは観客から3本つながったままのリングを受け取り、2本のバラバラのリングを観客にしばらく持っていてもらう。

7.4本のリングを一列につなぐ。よく見せた後、一番下のリングを持ち上げて行くと、上の3本を貫通しながら、一番上までゆく。もう一度、これを繰り返す。 今度は逆に、一番上のリングが一本ずつ下のリングを貫通しながら下まで落ちて行く。

8.4本がつながったままで、花びらのような形などを作る。観客から2本のリングを受け取り、5本をつなぎ、バスケットのような形を作る。さらに6本全部を一列につなぐ。

9.6本のリングを順にはずして行き、最後は全部バラバラになる。

コメント

ヴァーノンがこのシンフォニーを実演しているプライベートビデオを見る機会がありました。それを見ると、本当に不思議に見えます。タネを知っていても驚きます。

テンヨーの製品には、プロマジシャンのカズ・カタヤマ氏が書いた解説書が添付されています。「ゾンビボール」同様、豊富なイラスト入りで大変わかりやすく、ヴァーノンの手順とほぼ同じですので、"Symphony of the Rings"の解説書を持っていなくても、これで大丈夫でしょう。

シンフォニータイプのリングセットは、以前から他のメーカーからも出ていましたので、私もすでに持っていました。ところが先日、梅田の阪急百貨店に行ったとき、ちょうどこのテンヨー製のリングが入荷したばかりで、見せてもらったら思っていたよりよくできていましたので、また買ってしまいました。これには持つところの付いた、黒くて丸いケースも付いていますので、持ち運びや整理にも便利です。

金属製のリングを使ったマジックでは、シンフォニー以外にも様々な手順があります。解説書も何点か出ています。使う本数も、3本から9本くらいまで色々ありますが、一般的なものは6本組でしょう。最初に書いたように、日本で昔から販売されているセットは、同じ6本と言っても、シンフォニーとはすこし組み合わせが異なっています。この古くからあるセットを使ったものとしては、アイビデオから発売されています、高木重朗氏のルーティンがお薦めです。観客とのやりとりを中心に、巧妙で楽しい手順になっています。アイビデオから発売されているものとしては一押しです。

また、デパートで販売されています「ポケットリング」と呼ばれる小さなリングのセットは、リングを4本しか使いません。上手なディーラーの人の手にかかると、タネを知っていても不思議に見えます。売場でこれを実演していると、軽快な音がしますので、通りがかりの人を注目させるのには便利なのか、昔はよくやっていました。値段も2,000円程度と安いので、偶然通り掛かった人もつい買ってしまうことがあるようです。しかし、タネを知って、99%の人がびっくりするはずです。こんな単純なタネで、あのようなことができるとは思えないのです。買った人の大半は、実演しないままに、あきらめてしまったはずです。今までマジックなどやったことがない人で、偶然これを買ってしまった人は、おそらく二度とマジックの道具など買わなくなるでしょう。(笑)そのような意味では、ディーラーの人にとっても売るのに難しい商品かもしれません。

最後にひとこと

リングのマジックには、一般的な6本セット以外にも3本から9本くらいまで色々あります。重要なことは、どのようなセットであっても、途中で少なくとも1回は観客にリングを手渡して調べてもらう部分を入れることです。これがないと不思議さは激減します。観客に、あれはどこかに切れ目があるのだろうと思われたら、もうマジックになりません。切れ目のないリングだからマジックになるのです。今から20年ほど前、リチャード・ロスが3本のリングを使い、静かに音楽に合わせてやっている手順がありました。あれの最大の弱点は途中で観客にリングを手渡して調べてもらう部分がない点です。そのせいでしょうか、今ではすっかり消えてしまいました。とにかく、リングの手順ではつながったリングを観客に手渡して調べてもらうのを忘れないでください。

これは角度にも強く、また相当広い会場で演じてもよく見えますから、一度マスターしておくと、結婚式やちょっとしたパーティなどで演じるのにも重宝します。

 

魔法都市の住人 マジェイア


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