テンヨーから今年の新製品が4点、発売されました。正規の販売は10月に入ってからになるようです。このなかで、1点だけ比較的気に入ったものがありますので、それを紹介します。他の3点は、現象だけを簡単にしておきます。
1999年9月27
製品名:マジカルバニー 今年の中では、これが一番使えると思います。原理そのものは大昔からありますが、ネタが格段に巧妙になっています。
現象 ウサギや、このウサギにかぶせるカップのような容器を観客に調べてもらいます。マジシャンはウサギをテーブルの上に置き、ここで後ろを向きます。 観客にひとつのカップをウサギの上にかぶせてもらいます。適当に動かしてもらってもかまいません。観客がOKと言ったら、マジシャンは観客のほうに振り返り、何も怪しげな動作をすることなく、即座に、どのカップの下にウサギがいるのか言い当てることができます。「透視現象」の一つです。 コメント 昔のものは、十円玉をテーブルの上に置き、お猪口を3つ用意して、一つのお猪口を十円玉にかぶせることでやっていました。現象は上で説明したものと同じです。 十円玉とお猪口で演じるものは、ちょっとした準備ですぐにできますので、即席マジックとしても優秀です。「マジカルバニー」は、基本的な原理はこれと同じと同じなのですが、ネタの部分が大変よくできており、観客がうさぎやカップを調べても、まず仕掛けはわかりません。それくらいよくできています。十円玉とお猪口を使うものは、それ自体には仕掛けはありませんので、観客は端から調べようともしません。そのような意味では、どちらがよいのか、一概には言えません。調べられてもわからないくらい精巧なものがよいのか、調べようとも思わないものがよいのか、これは好みの問題でしょうか。
製品名:魔法の剣 アイディアは大変おもしろく、道具もよくできています。コレクターズアイテムとして、マニアは持っていて損はありません。 現象は、写真のような剣の上に、観客から借りた500円玉置くと、まっぷたつに切れて、半分になった500円玉が下に落ちて行きます。二つに割れた500円玉が見えています。最後は切れた500円玉を掴み上げると、また1枚になっています。 これは人に見せるよりも、自分だけで操作していても楽しめます。
製品名:バイオショック てのひらにハンカチのような布を置きます。布の一部に、テレフォンカードが刺さるくらいの隙間が開いています。そこからテレフォンカードを突き刺すと、指の中に入って行きます。ちょうど、カードで指を切断しているように見えます。すると、4本の指が手のひらから離れます。作り物の指ではなく、自分の指です。 観客からは今のように見えるそうですが、やっている本人はそうは見えません。 製品名:お札シュレッダー お札の上に白い紙を置いて、お札と紙を紐で縦に切断します。白い紙は破れているのに、お札は何ともありません。 これもアイディアは面白いのですが、現象の割に道具が大げさです。お札や紙を破るのに、わざわざ紐で破ることもないでしょう。このタイプものは原理が面白くても、見た目が大げさすぎると、演じる気にはなりません。
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