製品名 | ゾンビボール |
発売元 | テンヨー |
価 格 | 20,000円 |
分 類 | ステージ、パーラー |
1998年6月25日
最初に 「ゾンビ」(Zombie)という言葉は、オカルト映画などにもよく出てきますので、今ではよく知られているでしょう。元来は、死んだ人を生き返らせる不思議な自然力、またはゾンビでよみがえった死体のことです。 マジックで使われる「ゾンビボール」(Zombie Ball)も、魂が浮遊しているような現象なので、このような名前が付けられたのでしょう。 現象
演出によって様々な見せ方があります。 コメント
金属のボールが観客の目の前で浮かぶという現象は、幻想的であり、また神秘的でもあります。 「ゾンビボール」は、金属のボールを浮かせるという点では「フローティングボール」と同じですが、これには数々の利点があります。
1.助手が不要。 といった点でしょうか。 昨年(1997年)の暮れにテンヨーから売り出された「ゾンビボール」(20,000円)は、現在市販されているものの中ではベストだと思います。重さ、大きさ、布、ギミック、解説書のどれをとってもすばらしいものです。とりわけ、解説書はプロマジシャンのカズ・片山氏が実際に演じている手順をそのまま書いておられ、この解説書のためにだけ購入しても損はないくらいです。この手順では、最後にゾンビボールが完全に消えてしまうのですが、私はこの解説書で初めてボールの消し方を知りました。(汗)
ゾンビボールの解説書はあまりなく、昔のものでは『奇術研究42号』(力書房 1966年夏)、『The Svengali 第5号』(大阪奇術愛好会 1966年)、『ふたりでゾンビボールを』(力書房 厚川昌男著(現:推理作家の泡坂妻夫氏)1966年)、『ゾンビボール随想』(植木将一著 私家本 1975年)等がめぼしい物だと思います。 また、植木さんの私家本に解説されているものも、大変、興味深い演出になっています。最初、一人の男性がテーブルの前に座り、水晶の球を置き、トランプ占いをやっています。水晶の球が金属の球に変わり、それが一旦消えて、また現れます。この辺りから普通のゾンビボールの手順になります。
最近(と言っても2年ほど前)見たゾンビボールでは、東京の「銀座小劇場」で2,3ヶ月に一度開催されているマジックショーで、女性プロマジシャンのYUKAさんの演技が印象的でした。とても落ち着いた雰囲気のある方なので、このような幻想的なマジックが栄えるのでしょう。
また、テンヨーからは随分昔から発売されているもので、「アストロスフィアー」という商品名のものがあります。これもゾンビボールとほぼ同じくらいの大きさのボールが浮揚するのですが、左の写真のようなラメ入りの布の「前で」ボールが上下したり、布がまったくないところでも浮かんだりします。最後は頭上高く上がるボールを両手で受けとめて終わります。これはゾンビボールともネタが違います。 そう言えば、20数年前、現在プロマジシャンとして活躍している平田旭人氏が、学生の頃バイト先のナイトクラブで、これをよく演じていました。照明や音楽まで考慮して演じると、一種独特の幻想的なムードが漂い、なかなか洒落た雰囲気になります。(7,000円)
魔法都市の住人 マジェイア |