something interesting

 


Stand up Arrow


2003/9/29


先日、プー博士こと浜松の池田信彦氏からCDに録画した動画と奇妙な道具が届きました。早速見せて頂くと、CDの中で実演してくださっているのはプー博士が代表をされている浜松マジシャンズ・ソサエティのメンバー山田直弘氏です。

紹介されているマジックも山田さんご自身が考案された"STAND UP ARROW"というマジックです。これは今発売中の雑誌『ザ・マジック(57号)』(2003年9月発売:東京堂出版)に山田さんご自身の解説が載っています。解説を読むとなんだか面倒そうに思えるかも知れませんが、実際の演技を見せていただくとあやしげな動作もなく、大変ビジュアルで不思議な現象が起こります。見せ方によってはマジックというより、パズルに近くなるかもし知れません。いずれにしても、一見不可能に思える情況で矢印の向きが上下逆になります。57号をすでにお持ちの方は、ぜひ一度作って実演してみてください。私はCDでの演技を見ただけではどうなっているのか見当もつきませんでした。(この実演CDはプー博士が個人的に送ってくださったもので、市販されていません)

Stand up Arrow

矢印は紙に書いてもよいのですが、切り抜いた方が原理をさとられ難いかも知れません。私が送って頂いたものも矢印が切り抜いてありました。この道具は演技の前後、いつでも観客に手渡し可能です。



実は今回送って頂いたCDには、もうひとつ別のマジックも収録されていました。これはいずれ山田さんが発表してくださるかも知れませんので詳しくは紹介できませんが、私好みのカードマジックで大変気に入りました。

ざっと説明すると予言マジックのひとつです。8枚のトランプから、観客にある操作をしてもらい、4枚のカードを選び出します。この操作の部分は不自然なところはないため、どうみても観客自身が自由に4枚のカードを選んだとしか思えません。選ばれた4枚のトランプの数字を合計してもらいます。たとえば4枚のカードが、ダイヤの4、ハートの10、クラブの2、スペードのJとすると、4+10+2+11の計算をしてもらいます。この場合であれば合計は27です。ここで予言の紙を見てもらうと「合計は27」となっています。

これだけでも十分不思議なのですが、さらにおもしろいのはこの後です。本当はこの部分は伏せておきたいのですが、ここをカットすると、なぜ私がこのマジックを気に入ったのか説明できないため、あえてさせて頂きます。

山田さんは予言を紙に書くとき、ご自分の名刺の裏を使っておられました。名刺の表には名前や所属クラブである浜松マジシャンズ・ソサエティの他に、デザインとして4枚のトランプが扇形に広がっている絵が描かれていました。

先ほどの数字の合計が当たっているのを確認してもらった後、ずっと表向きになっていたこの名刺に描かれている4枚のカードに注目してもうらと、なんと4枚とも観客が選んだトランプになっているのです。数字の合計が当たっているだけでは少々不満そうな観客でも、これを見るとみんな驚きます。

山田さんの原案では名刺になっていましたが、プー博士からいただいたメールでは、トランプが4枚、ファンになったピンバッジを使っているという話がありました。私も昔ニューヨークのタネンに行ったときやイタリアのマジックショップで購入したものがあったのを思い出し、引き出しから引っ張り出してきました。下の写真は国内の某ショップで販売されていたものです。

Pin Cards

自宅でこのマジックを誰かに見せようと思ったとき、棚の上の小さなテディベアが目に入りました。これは昨年のクリスマスにある方からいただいたものです。高さはわずか5センチたらずの小さなテディですが、作者の名前が入った、手の込んだ作品です。このテディは手にトランプをファンにして持っています。うまい具合に4枚とも異なったカードなので、これでもできることに気がつきました。

テディベア

計算用紙の紙に予言を書いた後、それが見えないようにこのテディを乗せて隠しておきます。観客は予言を隠すために置いたとしか思っていません。あとは先ほどと同じです。まず数字の予言が当たっているのを見せた後、テディが手に持っている4枚のトランプを見てもらうと、観客が選んだカードとすべて同じであるため、大変驚いてくれます。

最後になりましたが、素敵なマジックをお送りいただいた山田さんと池田先生にはあらためてあつくお礼申し上げます。


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