コイン・ボード
1998/2/15
最初に昭和30年代、私が小学生の頃、学校の校門前などに時々あやしげなものを売りに来ているおじさんがいました。「砂絵」、「拡大器」、「当てもの」といったものです。そのような人のなかに、2,3年に一度くらいの割合で手品の道具を売りに来るおじさんがいました。上の写真に写っている板は、その人から買ったものです。値段は覚えていませんが、当時で50円程度ではなかったかと思います。正式な商品名などなかったと思いますので、「コイン・ボード」としておきました。
現象
写真のような10センチ角程度の大きさの板があります。両面とも、表面に碁盤の升目のような溝が彫ってあります。
中央に10円玉を一枚置いて、手でカバーするか、お酒を飲むときのお猪口を10円玉の上にかぶせて、数秒後に取り除くと10円玉はきれいに消えています。 裏側にも手の中にも、どこにもありません。お猪口を再び板の上に乗せると、また10円玉が出現しています。
コメント
タネはシンプルですが、今作るなら当然プラスチックの板でしょう。しかし、これがもしプラスチックでできていたら、今まで残していなかったと思います。一枚の板を削って、一枚ずつ手作りで作ってありますから愛着があるのでしょう。そのため捨てる気にもなれず、引き出しの中に残っていました。