カラー・ダイス・ミステリー
1999/6/19
最初に30年くらい前に購入したものです。当時はテンヨーから出ていましたが、いつ頃まで販売されていたのかわかりません。
現象
一辺が7,8センチ位で、赤、黄、緑に塗り分けられた木製のブロックが3個あります。それとブロックにかぶせる細長い筒を使います。
基本の現象では帽子もひとつ使います。中が空であることを確認してもらった帽子をテーブルの上に置いておきます。
三色のブロックを積み上げ、上から、どのような色の順番になっているか覚えてもらいます。それに筒をかぶせてから、筒を取り除くと、ブロックの順番が変わっています。このようなことを2,3回見せてから筒を持ち上げると、ブロックが1コ、突然消えています。2個しかありません。帽子の中を見ると、消えたブロックはいつの間にかそこに入っています。
コメント
ざっと以上がオリジナルの現象ですが、これに少し加工して、この原案を知っているものでも引っかかるすぐれたルーティンがあります。『ターベルコース』の翻訳などでお馴染みの加藤英夫氏が、1966年の三越劇場で開かれたテンヨーの大会でこれを演じられたそうです。
このトリックは、当時プロマジシャンを目指していた加藤さんにとっても貴重なネタであり、誰にも教えなかったそうです。1972年に出た『トップシークレット』(加藤英夫著、日本マジックアカデミー)で、はじめて解説されました。この本は当時加藤さんが作っておられた会があり、その会員にだけ販売されるもので、加藤さんが特に大事にしておられたネタを集めた本です。
オリジナルのネタに、ほんのちょっとした加工をするだけで、原案を知っている人が見ても不可能に思える現象が起こります。また、最後、ブロックが1個消えるところでも、原案では筒の中で消えますが、加藤さんの方法では、2個のブロックを手に持っていると、そのうちの1個が突然消えるというビジュアルな消失になっています。