On Line Magic

 

Birds of a Feather Flock Together

類は友を呼ぶ

1997/12/15


今回は少しまじめなオンラインマジックをやってみましょう。

あなたの手元に1組のトランプはありますか?それと上の写真のようにトランプを円形に並べる必要がありますので、少しスペースが必要です。それが確保できるのなら、今から、遠く離れたあなたの目の前で、私がマジックをやってみせます。

私とあなたは離れていますので、私はあなたのトランプに一切手を触れることはできません。そしてあなたの持っているトランプもあなたがマジシャンでないのなら、たぶん普通のトランプでしょう(笑)。何の仕掛けもないはずです。では準備ができたら「遠隔奇術」を始めます。

トランプを一組用意しましたか?ジョーカーは使いませんので、抜いて、トランプのケースにでも入れてしまってください。52枚だけ使います。

1.トランプにはA(エース)からK(キング)まで13種類の数字があります。13種類の中で、あなたの好きな数字をひとつだけおっしゃってください。何でも構いません。ここでは仮に「7」を選んだとしますが、実際にはあなたの選んだ数字で以下の操作をやってください。

あなたの選んだ数字のトランプは全部で4枚ありますね。ダイヤ、クラブ、ハート、スペードです。その4枚の「7」を抜き出し、少し脇にのけておいてください。後で使いますのでトランプのケースの上にでも乗せておいてください。

2.今、手元には48枚のトランプがあるはずです。一度、それをよく切りまぜてください。満足したら、そろえて、48枚のトランプを裏向きに持ってください。トランプの表、裏はわかりますね?数字の書いてある面がです。今は、裏向きに持ってください。

そして、テーブルの上に、左から右に、トランプの一番上(トップ)から一枚ずつ、4枚を一列に並べてください。(裏向きのままです)

並べたら、また今と同じように、左から今並べたトランプの上に、手元のトランプから一枚ずつ、左から右へ並べてください。それを最後まで繰り返すと、テーブルの上には4つの山ができています。最後は、一番右端で終わりましたね?もし右端で終わらなかったのなら、そのトランプは52枚ではないか、あなたが配り方を間違えたのでしょう。一度枚数などを確認して、やり直してください。

3.4つの山を、左端から順に、「Aの山」,「Bの山」、「Cの山」,「Dの山」と呼ぶことにします。
先ほど脇にのけておいたあなたの好きな数字のトランプ、今の場合は「7」でしたが、その4枚のうち、一枚を裏向きに取り上げ、「Aの山」の上に裏向きで置いてください。

4.「Bの山」から半分くらい(適当で構いません)を持ち上げ、「Aの山」の上に重ねてください。

5.2枚目の「7」のトランプを取り上げ、裏向きで左から2つ目の[Bの山」の上に置いてください。

6.[Cの山」から適当な枚数のトランプを持ち上げ、「Bの山」の上に重ねてください。

7.3枚目の「7」を取り上げ、「Cの山」に裏向きに置いてください。

8.「Dの山」から適当に取り上げ、「Cの山」に重ねてください。

9.最後に残った4枚目の「7」を表向きにして、[Dの山」の上に置いてください。4枚目の「7」だけが表向きであることを確認してください。それ以外はすべて裏向きです。

10.「Dの山」全体を取り上げ、「Cの山」の上に置いてください。さらに、「Cの山」全体を取り上げ、「Bの山」の上に重ねてください。続いて、「Bの山」全部を持ち上げ、「Aの山」の上に重ねてください。

以上で、山はひとつになりましたね。そして一番上に、表向きの「7」が見えています。

11.ここで、この山全体を一度「カット」します。「カット」というのは、一組の山から上半分を適当に持ち上げ、右に置きます。残った下半分をすべて取り上げ、今、右に置いた山の上に、全部乗せてしまうことです。つまり、適当なところで、上半分と下半分を入れ替えたのです。おわかりですね?
一度カットしたら、全体をよくそろえてください。

12.あと数回、このカットを繰り返してください。あなたの選んだ数字のカード、今の場合は「7」ですが、それを頭の中でしっかりイメージしながら、好きなだけカットを繰り返してください。十分カットして、満足したらやめてください。

13.トランプを全部取り上げ、手に持ってください。今から、時計の文字盤のように、トランプを丸く配って行きますが、文字盤の1時のところから、順に2時、3時と配って行きます。ただし、12時で終わりではなく、13枚配る必要がありますので、最後のところは少し、トランプの隙間を調整しながら、とにかく13枚を円の形に配ってください。(上の写真参照)

13枚配ったら、また同じように、今配ったトランプの上に、順に、1時のところから、上に重ねながら配って行ってください。
途中で1枚だけ表向きのトランプが出てきますが、気にせずに同じように最後まで配ってください。配り終わると、4枚ずつの山が13、丸く円状に並んでいますね。

14.13ある山のうちで、ひとつの山には表向きのトランプがあったはずです。その山の上に右手持っていって、上から軽く押さえてください。そうして「7」のトランプをしっかりイメージしてください。

しましたか?じゃ、その山のトランプを4枚とも取り上げて、表向きにしてください。「7」が4枚とも集まっているでしょう。

うまく行ったでしょうか。

<最後に>

これはFree Cut Principleという原理を用いたSelf-Working Trickです。上記のとおりにやっていただけたら、必ずできるはずです。何のテクニックも使いませんので、決して鮮やかとは言えませんが、それなりの雰囲気で行えば、これもマジックになると思います。

ただ、これは演出に関しては説明していません。原理だけの説明です。上のタイトル"Birds of a feather flock together."(「類は友を呼ぶ」)というのも私が適当に付けただけです。

もし、実際にあなたが誰かにこれをやってみせるのであれば、「私は手を触れないでもカードマジックができます」とでも説明して、上記のようなことを目の前にいる観客にやってもらったらどうでしょう。あなたは指示だけして、すべての動作は観客自身にやってもらってください。今と同じ結果になります。

一度試してみてください。


backINDEXsomething 魔法都市入り口魔法都市入口
k-miwa@nisiq.net:Send Mail