something old

 


ネズミ

1998/5/23


Nrikin-Bou 最初に

私が小学生の頃、放課後、学校の前に手品のタネを売りにくるおじさんがいました。そのとき買ったものです。

現物は残っていませんが、布製で、長さ5センチほどのネズミです。実際は小さな布の袋に、しっぽをつけただけのもので、それだけを見たら、ネズミなのか何なのかわからないような代物です。特別な仕掛けがあるわけではありませんので、簡単に自作できます。

現象

見るからにチャチな布製のネズミなのに、それが手のひらや腕の辺りを、まるで本当に生きているように動き回ります。電池やモーターなどが入っているはずもなく、どう見ても布で作っただけのものなのに、なぜ動きまわるのかとても不思議でした。

コメント

値段は覚えていませんが、30円程度であったと思います。以前紹介した「成金棒」や「コインボード」もそうですが、このようなものに子供は興味を示し、集まってくるのですが、実際にお金を出して買う子はあまりいなかったと思います。おそらく、この手のものを全部購入していたのは私くらいだったのかも知れません(汗)。

「グリコアーモンドチョコ」が30円程度で販売され始めた頃でもあり、普通の子供は、こんなわけのわけのわからないネズミにお金を使うくらいならチョコのほうに魅力があったのでしょう。

とにかく、これも見せてもらったらすぐに買いました。買った人だけに、こっそりタネを教えてくれるのですが、道ばたに座ってやっているだけですから、他の子供達に見えないように教えるのは一苦労です。そのときだけ他の子供を追っ払うのはまずいので、大きな風呂敷を取りだし、それを広げて、おじさんと二人で、頭の上からすっぽりかぶり、風呂敷の中で、こっそり教えてもらいました。今思い出すと、想像するだけで奇妙な光景です。しかしそのときは自分だけが「妖術の開示」を受けているようで、ちょっとした優越感と、厳粛な気分になっていました。

しかし、タネを聞いても、信じられなかったのです。絶対ウソだと思いました。ネズミには何の仕掛けもなく、ただ指ではじいていただけだと言うのですが、そのようなことであのような動作をするとは信じられません。ネズミのしっぽあたりを指で弾けば動くと言われ、最初は中にバネのようなものでも入っているのかと思いましたが、何もありまえん。ただの布切れで作ってあるネズミです。これも前回の「成金棒」同様、結局マスター出来ずじまいに終わったネタです。

このときは商品として売るために、簡単なネズミのようなものを付けていましたが、もっと即席にやろうと思えば、ハンカチを折るだけでも簡単に作ることができます。詳しい折り方を知りたい方は、『トリックで遊ぶ本』(松田道弘著 1992年 社会思想社 2,300円)か、『遊びの世界』(松田道弘著 1984年 チャイルド本社1,200円)に解説されていますので参照してください。

Judy, the Mouse また、左の写真のような、もう少し本物らしくしたマウスが、外国では販売されています。中でも、ダン・ギャレット(Dan Garret) が得意にしている、「ジュディ・ザ・マウス」"Judy" the mouseは大変人気があります。ラクーンの芸もおもしろいのですが、マウスはラクーンと比べると大きさも数分の一くらいですので手軽にできます。ポケットにも入りますから、ずっと扱いやすいのです。

上手に動かすと、餌を食べたり、腕を登って行く姿は本当に生きているように見えます。マジックの合間に、こんなものをはさむと、とても喜ばれます。

ダン・ギャレットの実演は、彼のビデオ "Kidshow Konnivery" (1993年)で見ることができます。ここで、マウスの改造の仕方や、扱い方も解説していますから参考になさってください。
また、このビデオを見ないと、マウスだけを購入しても出来ないと思います。

このマウスは外国では大抵のディーラーが扱っています。値段も大変安く、10ドル以下で購入できます。


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