ラトゥル・ボックス
RATTLE BOX
2000/11/16
最初に"rattle"というのは「ガラガラと音がするもの」という意味です。赤ちゃん用のオモチャで、振ると音がするものがありますが、あのような物のことです。
これは今でも海外では売っています。検索すれば数件現れましたから、決して手に入らないものではありません。日本でも入手可能かも知れません。
現象
この箱は、コインや指輪のような小さいものを消すのに使います。消すだけならこのようなものを使わなくてもできますが、ちょっとおもしろい仕掛けが組み込まれています。
たとえば、コインの表にサインペンなどで観客にサインをしてもらい、それをこの箱に入れます。蓋を閉じて、輪ゴムか紐で蓋を固定して開かないようにしてから、終始観客の見えるところにこの箱を置いておきます。
マジシャンは紙袋から毛糸の玉を取りだし、観客に手渡します。ごく普通の毛糸を玉にしただけのものです。玉の直径は10センチ弱です。
箱を取り上げて軽く振ってみると、中で「カタカタ」という音がしますので、コインが中にあることが確認できます。おまじないをかけてから、もう一度箱を振ると音がしなくなっています。箱を開けると、中にあったコインが消えています。
観客が手に持っている毛糸の玉をほどいていってもらうと、玉の中央あたりから、観客のサインがあるコインが現れます。観客から借りた指輪などでもおなじことができます。
コメント
この箱は、私が今から40年くらい前、どこかのデパートで買ったものです。出現させる場所は、毛糸の玉ではありませんでした。添付されていたのは、直径7、8センチ程度の空飛ぶ円盤のようなものでした。それを開けるとまた小型の容器があり、さらに中を開けると、小さな布の袋が出てきます。袋は輪ゴムで口の部分がきつく閉じられており、それを開けてもらうと、サインのあるコインが出現します。
子供の頃買ったネタものとしては、本格的なものであったので、よくやっていました。コインを消す部分も、出現させる部分も、当時の私には目新しく、マジックの重要な原理のひとつを知ったようで、うれしかったものです。
出現させる場所としては、紙マッチの中(表紙の紙を破ると出現する)、レモン、その他、色々と考えられるでしょう。
古いものですが、今でも時々引き出しの中から取りだしては遊んでいます。昔はこのような道具類もひとつひとつ手作りであったため、妙に愛着があります。