リング・らせん
1999/5/8
鈴木光司の『リング』、『らせん』はテレビや映画にもなりましたから、大抵の人は名前くらい知っているでしょう。昔からあるパズルで、この本の知名度を利用すると都合のよいものがありますのでそれを紹介します。
神戸の三田皓司さんから、"CREATIVE PUZZLE OF THE WORLD"に載っている"The Magical Spiral"という、古典的なパズルを教えてもらいました。(この本はインターネットで洋書を扱っているAmazon.comから、現在でも20ドル程度で入手可能)
左の写真のような、金属の針金が螺旋(らせん)状になったものとリングがあります。リングは螺旋の中に通っています。
観客にこれを手渡し、リングを螺旋に沿って、端の方まで移動させてもらいます。らせんの端は完全に閉じられていますので、リングをここから抜くことは不可能です。らせんの端までは移動させることができますが、端は完全に溶接されていますので、リングははずれないのです。
しかし、ある能力を使えば、これが一瞬にしてはずれます。もちろん、ペンチなどを持ってきて、切断したりすることはできません。らせんにもリングにもいっさい傷をつけたり切断することなしに、らせんとリングを分離する事ができます。
東急ハンズか日曜大工の部品を扱っているような店なら、金属やプラスチックでできた螺旋状のものを売っているはずですから簡単に作ることもできます。
作り方としては、らせんの端を閉じる前に、らせんの針金の端を普通にリングを通し、中央まで移動させます。すると先の写真のような状態になります。中央まで来たら、らせんの端を開かないようにしてください。少し長い目に作っておいて、端の針金を巻き付けておいても十分でしょう。
誰かに見せるときは適当に話をでっち上げてください。
「鈴木光司の『リング』、『らせん』を知っていますか?彼があのアイディアを思いついたのは、あるパズルからです。それは大変古典的なパズルなのですが、一見、不可能に絡み合ったリングとらせんが、実際には全然絡み合ってもおらず、簡単に分離できることから閃いたそうです。それをあなたにもご覧に入れましょう」
「このリングはらせんにしっかりと通っており、抜け出せないように見えます。ここから抜け出すことなどどうしても不可能としか思えないでしょうが、あるおまじないを行えば、簡単に抜け出ることが出来ます。出来ないと思っている限り出来ません。これはすべてのことに当てはまります。この謎が15分以内に解けたら、あなたには輝かしい未来が待っています。解けなかったら......、それは恐ろしくて私の口からは言えませんが、とにかく挑戦してみてください」
ざっとこのような話でもやってから見せると、この古典的なパズルも息を吹き返すでしょう。
観客から、実際にはずして見せて欲しいと言われたら、テーブルの下に手を入れて、見えないようにしてからはずすか、ハンカチでも掛けてもらい、その下でやってもよいでしょう。はずすのは、2,3秒ではずせます。