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Tic-Tac-Toe


Tic-Tac-Toe

2003/11/3
追加情報:2003/11/16


英語で"Tic-Tac-Toe"(ティック・タック・トゥー)、日本語では「三目並べ」「「○×(マルバツ)ゲーム」などと呼ばれる遊びがあります。

「五目並べ」をもっと簡単にしたようなもので、3×3の升目に、○と×を交互に並べてゆき、縦横斜めのどの方向でも、先に三目並べたら勝ちという、いたってシンプルなゲームです。専用の盤などなくても、紙に縦線と横線を2本描き、そこに○と×を交互に書き込んでゆけばいつでもできます。2、 3度実際にやってみるとコツがわかり、ポカでもしない限り、大抵引き分けに終わります。

今回これを取りあげたのは、何も今さら"Tic-Tac-Toe"を紹介するためではありません。実はこのゲームに関して、以前からちょっと気になっていたことがありました。そこに先日、ある方から大変素敵なものを頂いたため、この機会に紹介しておこうと思ったのです。

突然話は約30年前に飛びます。

1974年6月発行の「カリヨン」第10号に、この「三目並べ」を使ったマジックが掲載されていました。考案者は大塚哲朗氏で「Story Magic ○×モンテ」となっています。これを読んでから、ずっと気になっていました。

どのようなものか、概略を説明します。

適当な厚紙切って、9枚の正方形を作ります。このカードの表に、○と×を描きます。5枚が○で、4枚が×です。カードの大きさは適当でかまいません。

準備ができたら、術者が○側、観客は×側を持ち、○側の先攻で始めます。普通のゲーム同様、○側と×側が交互に好きな場所に置いてゆきます。お互いが最善を尽くすと、たいていこのゲームは引き分けになります。引き分けのまま終わったのではおもしろくないので、今並べた9枚のカードをその位置のまま裏返すと、一枚の完成した絵が現れます。(下の画像)

裏面


観客はまったく自由に置いたはずなのに、最初から置く場所がわかっていたかのように、裏から絵が現れるという予想外の結末を見ると、ちょっと奇妙な感じがするようです。マジックというより、パズルのような感じでしょうか。

道具類はすべて観客に調べてもらってもかまいません。

私が作ったコマは、薄い発泡スチロールの板がありましたので、そこに描きました。ボール紙でも段ボールの切れっ端でも何でもかまいません。

「三目並べ」を使ったマジックなど、おそらく世界中でこれだけではないでしょうか。

★最後に一言

"Tic-Tac-Toe"は、ゲームとしては単純すぎて物足りないでしょう。このゲームの発祥の地はアフリカ説や中国説などがあり、はっきりしたことはわかりせん。しかし大変単純なゲームですので、いくつかの場所で、自然発生的に同じような遊びが産まれたとしても不思議ではありません。

囲碁や連珠(五目並べ)であれば、専用の盤や石もあります。しかしこの「三目並べ」は単純すぎるため、商品にはなりにくいと思うのですが、海外では意外なくらい数多くのセットが販売されています。初期のコンピューターゲームでもよく見かけました。これはアルゴリズムが単純なため、プログラミングの習作として、作りやすいからという理由のせいでしょう。

商品として販売するには、オリジナルのままでは単純すぎるため、多少アレンジしたものもあります。たとえば盤の大きさ3×3より大きくしたり、立体にして縦横高さの三方向に並べたりするものもありました。

実は私が先日ある方から頂いたものは、この「三目並べ」の究極版とでもいうものでした。

SWAROVSKI

コマはハート形で、透明なダイヤと赤いルビーでできています。ケースのフタが盤として使用できます。勿論本物のダイヤやルビーではありませんが、透明度の高いクリスタルガラスでできているため大変美しく、持つ手が震えるくらい優雅な出来映えです。

海外ではこのようなものが販売されていること自体に驚きましたが、それ以上に、よくこれだけ私が好きそうなものを見つけてきてくださったという、そのご好意に感激した次第です。

家人に見せると「これでペンダントを作ればゴージャスなものができそう」と不気味な言葉をつぶやいていましたので、保管場所を考えねばと思っている次第です。

★追加情報(2003/11/16)

読者の方から、『カリヨン』以外でこのマジックを解説した本があると教えて頂きました。現在も東京堂出版から出ています『即席マジック入門事典』(麦谷眞里 編著)です。麦谷氏によると、この原理の原案者はドン・コステロというマジシャンで、トランプを使って行っていたそうです。それを大塚氏が先のような作品に作り変えたとのことです。

また浜松のプー先生からも、ひっくり返すと縦、横、斜めのすべての合計が15になっているという演出もあると教えて頂きました。


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