2017.04.23 K.Kotani>
NEW BOOKS 「メディア工作ワークブック」
毎月読める日本で唯一の自主アニメ情報誌
月刊近メ像インターネット
2017年4月23日
NEW BOOKS 「メディア工作ワークブック」
「メディア工作ワークブック」パンタグラフ著、グラフィック社発行、税別2200円。「アニメおもちゃ」の紹介本だし、一応押さえておこう、と思って買ったら、とんでもない凄い本だった。
アニメーションの基本原理から、各種アニメおもちゃの紹介と作り方、さらに簡単なコマ撮りアニメの機材・作り方から、ある程度の応用まで簡単に分かりやすく説明されている。写真も楽しく美しく、ちょっとしたコツの紹介も巧みに組み込まれている。
ほとんどの項目が見開き2ページにまとめられており、これではあまりにも簡略しすぎ、という向きもあるかもしれないが、少なくともここまで書いてあればコマ撮りを始める事はできる。「アニメ作りの入り口は広く、楽しくて簡単」である。後は、個々に気に入った手法を突き詰めていけばいいのである。始めからやたら細かくて高度な技術まで紹介して「これは大変そうだ・・・」と敬遠されるよりはましだ。また、細かなソフトや機材の使い方を説明されても、最近は「それっ、と買いに行ったら、ソフトや機材がもう次の型に変わっていて売っていない」という事がよくあるのである。
「アニメーション製作の基本云々」と称した各種の類本が、実は「今の商業アニメの作り方の紹介」だったりして失望させられる事が多いが、本書は立体アニメーションの入門書としても素晴らしいとしか言いようがない。
「ファンタスティック・アニメーション・メイキングガイド」以来の、人に「これはいいぞ、買え」とお勧めしたくなる快著である。ところで、この本、紀伊国屋であちこち探してもついに見つからなかったのだが、何売り場で売っているんでしょうねぇ?