<2023.3.21 K.Kotani>百円ショップのトレス台


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2023年3月21日

百円ショップのトレス台





 百円ショップでトレス台を発見しましたのでレポートします。ちなみに、百円ではなく、税別900円・税込み990円でした。後日別の系列の百円ショップでも同じ商品がありましたので、百円ショップ専門に展開されている商品の様です。
 製品名、「LEDライティングトレースボード//PRO」。箱。百円ショッブ商品らしく、価格が税込みでドン、と印刷されている。LED無段階調光タイプ軽量薄型、とある。箱の裏面が「取扱説明書」であって、「取扱説明書を保管しておいて下さい」とあるが、箱ごと保管せよ、ということらしい。中をあけるとプチプチで包んだ本体と長めのマイクロUSB電源ケーブルが出て来る。プチプチを外すと、ぺったんこの下敷きのような本体が出て来る。厚さは約2mm強。なるほど薄型軽量であって、昔「どらえもん」のアニメを作る話に出て来た「発光下敷き」のようである。





 早速電池式USB充電器をつないで点灯すると、パンダのような模様が。「うわっ」と思うが、保護用のビニールの空気の入った部分が黒くなっているだけで、ビニールを剥がすと、全面に点々の光源の見える状態になった。
 「無段階調光タイプ」とある。電源スイッチを軽くタップすると点灯し、押し続けると明るくなったり暗くなったりするが、点灯した状態で「ちょん」とタップすると消えてしまうので、微妙な調整は難しい。また、明度はあまりないので、アニメ作画用として使用する場合は常時最高輝度で使用する必要があるので、あまり調整機能は使わないと思う。
 なおこのトレス台、全面に点々とUSB光源を配置しているのではなく、電源スイッチのある側にずらりとUSBランプをならべ、アクリル板内を通過反射した光をシートの点々を通過させて光らせている。このシートの点々をライト側はまばらに、反対側は密にして均一に光らせようとしているようだが、実際のところライトの反対側はやや暗い。我慢できるかどうか微妙なところだ。
 なお、電池式USB充電器ではなく、1Aの充電器で給電するとかなり明度が上がる。電池式充電器は非常用として、普段は100V給電の充電器で使用する方がよいようだ。





 さて明るさは、というと、1Aの充電器で給電した状態でも、あまり明るくはない。撮影枠を書いた動画用紙を一番下に置き、2枚の動画用紙の上に中割りの4枚目を載せた状態だとちょっと厳しい。上質紙3枚でなんとか実用レベル、という印象である。蛍光灯式のトレス台だと中心部が明るいので細かい所はそこで見る、という手もあるが、全面ほぼ同じ明るさのトレス台の思わぬ弱点である。



 大きさは、というと、光る部分の大きさはA4よりやや大きい程度。昔の三起社のアマチュア用トレス台に比べて一回り小さく、B5の紙ならわりと普通に作画できるが、昔の4対3サイズの動画用紙はぎりぎり、ちょっと厳しい。
 後、電源スイッチがすぐ横の平面上にあるので、何かの拍子に指等がふれる度に電源が切れる。ちょっと気になると思う。
 総合評価として、「使えない事はないが、一生使うつもりならば、もう一寸お金を出していいものを買った方がよいのでは。」というあたりか。「百均の電化製品は、肝心かなめの所でいつもプスンと動かなくなる。」経験もしばしばあるしなあ。

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