<2023.4.19 K.Kotani>小池照男のコスモロジー


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2023年4月19日

小池照男のコスモロジー





 2023年4月8日(日)・9日の両日、昨年3月に亡くなられた映像作家・小池照男さんの追悼個展「小池照男のコスモロジー」が、神戸市のギャラリー、プラネットEartH 2Fで2日間に渡って開催されました。各80〜90分の4プログラムで、小池さんの作品群の中核をなす「生態系」シリーズの現在上映可能なほぼ全作品など、圧巻の内容でした。
 「生態系」シリーズは、小池さんの自宅近辺の海岸等の小石・砂浜・フジツボなどをコマ撮りで撮影したものや、写真を撮って焼いたものを再撮影したものなどで、一件ノイズのようなアトランダムな映像ですが、観ているうちに画面の中でなにかがぐるぐる回りだしたり大きく全体に流れたりするものが見えたり(人によって見え方は違うと思います。)する現象が感じられる映像です。以前。あまり間を置かずに2回観た際に同じものが見えましたので、間違いないと思います。ただし作者が意図してそういうものが見えるように撮ったのかといえばわかりません。皆さんも一度ご覧になって下さい。


 また小池さんは笛奏者などの音楽活動も行っておられ、亡くなられる寸前まで毎日続けられネットで発表されていた「多重奏」や、上映会で自作の映像に生演奏で音を付けられたりするお姿も度々拝見しました。
   また、80年代から各種の映像上映会の企画運営にも関わられ、また、ワークショップ活動にも熱心に取り組んでおられました。神戸のKAVCでのワークショップや、名古屋での子どもクレイアニメ講座、西元町でのワークショップなどもお手伝いさせていただいた記憶がございます。
 さらにその多忙な活動の合間を縫って被災地でのボランティア活動などにも参加されておられました。
 両日の上映の間にはゲストを招いてのトークも開催され、小池さんの創作活動に関するエピソードや制作中だった「生態系」シリーズ新作についての解説などが紹介されました。
 なお、ミストラルジャパンにおいて、小池さんの映像作品を集めたDVDが順次発売中で、現在第一巻が発売されており、最終的に来年春に全4巻が発売される予定です。

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