<2025.6.29 K.Kotani>紙フィルム上映会「知られざる日本アニメの源流」


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2025年6月29日

紙フィルム上映会「知られざる日本アニメの源流」





 6月26日、大阪十三・シアターセブンで、【柳井イニシアティブ】紙フィルム上映会「知られざる日本アニメの源流」の大阪上映が行われました。この紙フィルムというのは、普通の透明な銀塩フィルムを使った透過式の映画フィルムと違い、やや厚手の長ーい紙の帯に印刷した少しずつ違う絵を反射光でスクリーンに投影して鑑賞する、というものでした。非常に高価だった映画フィルムと違い、紙ですから印刷で非常に安価に作る事が出来、かつ、当時普通の映画が白黒だった時代に「カラー」で映写出来る、というものでした。

(こんな感じ、という見本。白い所がパーフォレーション)

 一般向けに市販されていたものですので、現在でも国内外にある程度の紙フィルム映画が残っており、中には、音響用の「レコード」まで一緒に残っているものもあります。
 この日は、さすがに、紙フィルムを紙フィルム用映写機で上映、というのは無理なので、もとの紙フィルムを1コマずつコマ撮りしてビデオ映像化したものに、弁士と琴・チェロの生演奏で音を付けたものが上映されました。
 フィルムによっては、フィルム中央に開けられていたパーフォレーションが繰り返し上映されたためにボロボロになっているものもありましたが、中心の絵の部分はしっかりと残っていて、絶妙な伴奏・語りと共に、「満員」の会場は大いに盛り上がっていました。
 絵柄からみると、どうも、元々フィルムのアニメとして製作されたものを紙フィルム化したものではなく、おなじみのキャラクター・物語を使って、紙フィルム映画用に新らしく製作したのではないか、と思える作品がほとんどでした。
 なお、アニメだけではなく、「実写」の映画も、映画のコマを一コマずつ印刷する、という形で紙フィルム化されたものもありました。


(見本。こんな感じで、バーフォレーションの見えるような形での上映でした)

 なお、この紙フィルム映写機、以前学研「大人の科学」シリーズの一つとして市販されていましたが、現在は現流商品としては販売されていないようです。ネットオークションなどでは入手可能のようですので、ご興味のある方はいかがでしょうか?
 当日は、切り紙影絵アニメ「アクメッド王子の冒険」の伴奏付き上映も引き続き行われ、こちらも盛況だった様子です。

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